成島容疑者が自転車であおり運転を始めたのは'18年ごろとみられる。当時居住していた埼玉県桶川市などで蛇行運転や飛び出し走行をして'19年に最初の逮捕。「運転手の驚く顔が見たかった」などと供述し、'20年2月にさいたま地裁で道交法違反罪などで懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けた。
判決から1か月もたたず犯行を繰り返し同年10月にまた逮捕。'21年5月に同地裁は「嫌がらせで快感を味わいたいという動機は身勝手きわまりない」として道交法違反罪などで懲役8月と罰金20万円の実刑判決を言い渡した。
迷惑行為はほかにも
成島容疑者は公判で、やめないといけないとわかっていながら「スッとする欲が勝った」などと述べた。
社会規範から逸脱していたのは自転車の運転だけではない。桶川市のアパートで1人暮らしをしていたころは、犯行をとがめた住民に石を投げつけたり、胸ぐらをつかんで悪態をついた。夜中に大音量で音楽をかけ、くわえタバコのガニ股で歩き、灰をアパートの通路に捨てた。
柏市に戻ってからは、目立つ迷惑行為は確認されていない。
「深夜の騒音はなかった。変わった振る舞いといえば、夜でもサングラスをかけ、通行する車も人もいない道でも自転車で蛇行運転をしていたことぐらい。ただ、曜日が決められているゴミ出しのルールは守らなかった。マクドナルドの包装ゴミばかりだったから、よほどハンバーガーが好きなんだろう」(近所の住民)
愛車も変わった。桶川市で乗っていたのはロードレース用自転車だったが、
「容疑者が犯行に使ったのはいわゆるママチャリだ。電動アシスト機能はついていないし、スピードが出るように改造したものでもない」(前出・捜査関係者)
実家には戻らなかったのか。
幼少期から両親と姉の4人家族で賃貸アパートの一室で暮らしていた。両親のケンカは激しく、皿や鍋などが外まで飛んできた。青年期に姉は自立し、母親も出て行ったため、父子だけが残った。
「明彦くん(成島容疑者)が帰る実家はもうありません」
と話すのは地元の男性。