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ー “コンプライアンス”めぐって物議
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ー 広報が映画の価値を貶めている

 日本テレビは5月31日、同局で昨年放送した連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんが急死した問題に関しての調査報告書を公表。日テレ側が芦原さんの意向を軽視していたことなどがわかり、さらには報告書の別紙で“有識者の方々からいただいたコメント”としてドラマプロデューサーによる「これで怖がっちゃいけない。安全にドラマを作る方法なんてない」という意見を掲載していたことにも批判が殺到した。

 騒動を収束させるどころか一層の厳しい声を浴びることとなった日テレだが、一方で同局にまつわる人気作品が順調な滑り出しを見せている。

「かつて日テレで放送された『あぶない刑事』シリーズの劇場版最新作『帰ってきた あぶない刑事』が5月24日から公開されています。舘ひろしさんが演じる“タカ”こと鷹山敏樹と柴田恭兵さん演じる“ユージ”こと大下勇次のバディもので、公開2週目の週末には累計興行収入8億円を突破したという好調ぶりも伝えられました」(スポーツ紙記者)

“コンプライアンス”めぐって物議

 日テレが大炎上している中、盛り上がりを見せている『あぶ刑事』。しかし、一部ネット上では同作の公式X(旧ツイッター)が上映開始前日にポストしていた内容が掘り返され、物議を醸している。

「当該ポストは、公開前日にも関わらずなぜか《大ヒット上映中!》との文言を用いて宣伝しているのですが、それよりも疑問視されているのは《コンプライアンスなんて関係ないね》というコメント。広報サイドがユージのセリフとしてお馴染みの“関係ないね”を使いたかったのはわかりますけど、ネットユーザーが気にしているのは芦原さんの件が世間を騒がせている中、“コンプライアンス”というワードを軽々しく扱っている点です」映画誌ライター)

『あぶ刑事』のドラマシリーズはもともと昭和に放送され、現在とコンプライアンス意識が異なる作風なのは仕方がないこと。しかし、映画に関しては、舘と柴田がPRのために出演した日テレのバラエティー番組『行列のできる相談所』公式Xのポスト(5月19日付)でも《コンプラ関係なしのタカ&ユージ名場面》と告知されていて、局側がコンプライアンスなど関係ないと強調しているように見えてしまった経緯があった。