便の水分量やかさも増す
キウイフルーツが便秘対策におすすめの理由として、キウイの食物繊維が保水力に優れているという点もある。
健康的な便通のためには、便の量そのものも、ある程度必要なのだが、若い女性やシニアなどは食事の量が少ないために、便の量が少なくて排便の回数が少なくなってしまう場合も。
キウイの食物繊維は水分を吸収して大きく膨れる性質があり、便のかさが増えることがわかっている。
実際、健康な人に2個のグリーンキウイを摂取してもらい、MRI検査で食後の腸の様子を観察した研究によると、キウイを摂取したあとでは小腸や上行結腸(大腸の小腸に近い部分)の水分量が多く、大腸内の便のかさが増えていたという(※2)。
こういった効果が医師たちに認められて、ガイドラインにキウイが新たに加わったのだ。ぜひ、腸内環境の改善にキウイを役立ててほしい。
腸内環境は熱中症対策にも重要
腸内環境の改善は、このあとやってくる暑い夏の時季にも重要。夏に特に注意が必要な熱中症は、重症化すると健康に重大な影響を及ぼすため対策が肝心だ。
予防の重要なポイントとして、「室内ではエアコンを利用する」、「屋外では日傘の使用や帽子の着用」などとともに厚生労働省があげているのが、「こまめな水分補給」。
室内でも外出時でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給するように促しているが、せっかく水分を補給しても腸でしっかり吸収されなくては下痢などで体外に出ていってしまう。
暑いとつい、冷房の効いた部屋で冷たい飲み物をガブ飲みするなどして、お腹がゆるくなることも。必要な水分を体内に吸収して熱中症を防ぐためにも腸を整えることが大事だが、そのためにはやはり、キウイをはじめとした食物繊維の摂取が効果的だ。
気象庁が発表したこの先の3か月予報によると、今年の夏は全国的に気温が高く、猛暑になる可能性があるという。熱中症に負けないためにも今年の夏はキウイでしのぎたい。
※2 Wilkinson-Smith V, et al.: Aliment Pharmacol Ther 2019; 49: 759-768.より