“斜め下”の暴論

 これまで同店では店のSNSアカウントで、代表待ちなど店における禁止事項を何度も投稿し、注意喚起してきた。今回の“死ね”という暴言についても投稿すると、賛同が多々だったものの、冒頭のイヤホンNGのラーメン店のような“斜め下”の暴論も飛んだ。

《言われた方も理由があるのではないのでしょうか?》

《まさかあなたの様な攻撃的な方が黙っているわけありませんよね?自分の都合のいいようにしてませんか?》

「なんていうんですかね、あまりにアホすぎて、もう怒りを通り越して、なんか可哀想になってくる感じです。僕のことを嫌いだからっていろんなことを書かれてますから。前なんて“ゴキブリが入ってた”と書かれたり。さすがにそれはヒドいなと思って訴えようかと思っていたのですが、“拾い画”を使った嘘投稿だと暴いてくれた人がいて、それは終わりました。なんなんだろう、そういう人たちって、人生、嫌なことだらけなのかなと……」

 ネット上での暴言はまだありながらも、それまで毎日のように起こっていた行列でのトラブルは、現場での張り紙や直接口頭での注意喚起に加え、SNSでの発信もあり、近頃はかなり少なくなったという。そして最近さらに減った要因が。それは現代日本の貧しさ、経済的な意味だけでなく、精神的な貧困とも言え……。

「最近はうまい具合にトラブルはありません、たぶん1300円に値上げしたこともあると思います。それ以降は今回の“死ね”以外はないですね」

 三浦さんの店も、店を出した当初は客が来ず、暇な日々が続いた。そこからだんだんと客が増えていくにつれ、さまざまな人が来るようになった。

「この地域には飲食店で並んで食べるという習慣がないこともあって、行列でのトラブルも起きて、ルールを作らなきゃいけなくなりました。それもだんだんと浸透して、“あの店は並ばんと食えんよ”とわかってくれる人がいる一方で、それでも代表待ちなどトラブルはありました。SNSなどで認知されて減ってきた印象でしたが、値上げもトラブルがなくなった要因だと思います」

 三浦さんは新しい店舗の出店を機に、現在の店を“会員制”にする準備を進めている。

トラブルを起こす人、暴言を吐く人って、もうみんな“たががラーメン屋やろ!”“俺が客だ、金払ってんだろ!”っていう態度の人ばっかりだった。門戸を開きすぎているとトラブルは必ず起きる。自分たちの大切なお客さんを守りたいというのが根底にあるので、会員制もそのひとつですね」

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