2月に日経平均株価がバブル超えを果たし、7月も最高値を更新した。新NISAによる非課税の恩恵も受けられる今、「なんだか、投資を始めないとソンしそう」と思う人も少なくないようだ。
「銀行に預けてもお金は増えませんからね」と話すのは、個人投資家のたけぞうさん。元証券マン、在籍中に約50億円の収益をあげた敏腕ディーラーだ。こう続ける。
「定期預金の金利は比較的高いところでも年0.2~0.6%ほど。近年の物価上昇にとても追いつきません。つまり預貯金だけしていては、お金は目減りしていきます」
今の時代は「お金は、眠らせておく(貯金)」のではなく、「働かせる(投資)」ことも考えたほうがいいという。
初心者は「ほったらかし投資」から始めよう
でも、世の中の景気がよくなっているとは思えないのに、なぜ株価が上昇するのか?
「2020年から始まったコロナパンデミックによって経済活動が停滞しました。それで政府が、企業や国民の生活を支えるため、国債を大量に買い取ったり、特別給付金を支給したのです。結果、世の中にお金が大量に出回り、金融市場にも流れ込んだ。世界中で同じようなことが起こり、世界的な株高と物価高になったわけです。
また、円安も追い風。海外で稼ぐグローバル企業には有利ですし、国内でのインバウンド需要も好調。企業の売り上げが伸びれば当然株価も上昇します」(たけぞうさん、以下同)
なるほど。実際に、今最も勢いがある産業、半導体関連企業の株価は、ここ1年で2倍、3倍になったところも少なくない。もう少し長い期間で見ると、あのディズニーランドを運営するオリエンタルランドの株価は、15年で約15倍に上昇。
その半面、投資には下がるリスクもある。株に興味はあるものの……「損をすることもあるから怖い」「難しくてよくわからない」「投資に費やすお金も時間もない」と、
一歩を踏み出せない人が実はとても多い。
「いやいや、投資ってそんな難しいものでも怖いものでもありません。もちろん短期間で大儲けしようとすれば大きなリスクを伴います。ですが、そんな危険を冒さなくても、銀行に預けるような感覚で、コツコツ利益を積み重ねていく手法があります」
と、たけぞうさん。それが、ほったらかし投資。買ったあとは、“ほったらかし”で、値動きに一喜一憂する必要はない。年月をかけてゆっくりとお金を増やしていく方法だ。