拷問!?ストレッチを実践

今まで動かしたことのない骨を伸ばすイメージ

 胸椎伸展は、1日3~10分、寝転ぶだけ。唯一のポイントは、道具(フォームローラー)を使用すること。

「効かせたい部位に、確実に、効果的にストレッチをかけるには、道具を固定して負荷をかけるのが手っ取り早く、効率がいいのです」

フォームローラーは硬すぎず、表面が適度にやわらかい素材のものがおすすめ。石井さん愛用のメーカーは「トリガーポイント」 撮影/只石布久美 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。
【写真】フォームローラーの当てる位置を間違えると逆に腰痛の原因に……

 道具を使わずにやろうとすると、つい自分の動かしやすい部位を使ってしまう。

「胸を反るストレッチをしていても、胸が硬くて動かないので、腰が反ってしまうのです。そうなると腰に負担がかかってしまい逆効果なので、私は必ず道具を使います」

 ちなみに、胸椎伸展は、身体に柔軟性のあるプロのダンサーでも、初回は「拷問かと思うほど痛い」という。

 これまで何十年も動かしていなかった部位は、筋膜が癒着してガチガチに固まっている。それをじっくり動かすので、どうしても痛みが出てくるのだ。

 しかし、この程度の反る角度ではケガはしないのでご安心を。首や背中が折れそうな感覚を味わうかもしれないが、自分が思うほど実際はたいして反っていないのだ(鏡に姿を映してみれば一目瞭然)。

 注意点としては「痛い!」と感じると、筋肉に緊張が走って息を止めてしまう人が多いので、そんなときは落ち着いて「息を吸って、吐いて」を繰り返すこと。

「今まで動いていなかったところが動いている」と思って、意識的に、痛い部位の力を抜こう。痛かろうが苦しかろうが、息を吐いて、痛みを解放する。そうすることで、骨がしなって、しだいに、しなやかにやわらかくなっていく。

 できる範囲でコツコツと。「継続は力なり」で毎日行うことが重要だ。

1.ヨガマットの上に座って足をヨガマットの幅にセットし、
膝を立ててあおむけに寝る

1.ヨガマットの上に座って足をヨガマットの幅にセットし、膝を立ててあおむけに寝る 撮影/只石布久美
1.ヨガマットの上に座って足をヨガマットの幅にセットし、膝を立ててあおむけに寝る 撮影/只石布久美

2.フォームローラーを配置するため腰を上げる

2.フォームローラーを配置するため腰を上げる 撮影/只石布久美
2.フォームローラーを配置するため腰を上げる 撮影/只石布久美

3.腰を上げて、一番下の肋骨にフォームローラーの下側の端を当てる

3.腰を上げて、一番下の肋骨にフォームローラーの下側の端を当てる 撮影/只石布久美
3.腰を上げて、一番下の肋骨にフォームローラーの下側の端を当てる 撮影/只石布久美

4.フォームローラーの上に身体をおく。後頭部がヨガマットについた状態をキープする。身体が硬いと、お尻が浮くが、最初は浮いたままでOK

4.フォームローラーの上に身体をおく。後頭部がヨガマットについた状態をキープする。身体が硬いと、お尻が浮くが、最初は浮いたままでOK 撮影/只石布久美
4.フォームローラーの上に身体をおく。後頭部がヨガマットについた状態をキープする。身体が硬いと、お尻が浮くが、最初は浮いたままでOK 撮影/只石布久美

5.両腕を上げて両手を頭の後ろで組む。ゆっくり息を吐き出しつつ、股関節の力を緩め、身体がしなってくることを感じながらお尻を徐々に沈めていく

5.両腕を上げて両手を頭の後ろで組む。ゆっくり息を吐き出しつつ、股関節の力を緩め、身体がしなってくることを感じながらお尻を徐々に沈めていく 撮影/只石布久美
5.両腕を上げて両手を頭の後ろで組む。ゆっくり息を吐き出しつつ、股関節の力を緩め、身体がしなってくることを感じながらお尻を徐々に沈めていく 撮影/只石布久美

※肩は床につかなくても大丈夫なので、まずはお尻を床につけられることを意識
※通院中の人は医師の許可を得て行ってください