目次
Page 1
ー やす子にとって“やられ損”
Page 2
ー もともと謝る能力を持ち合わせていない
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ー 中途半端な謝罪で傷つくのは、やす子
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ー この人ヤバいと思ったら、逃げるに限ります

「ヤバい女になりたくない」そうおっしゃるあなた。有名人の言動を鋭く分析するライターの仁科友里さんによれば、すべてのオンナはヤバいもの。問題は「よいヤバさ」か「悪いヤバさ」か。この連載では、仁科さんがさまざまなタイプの「ヤバい女=ヤバ女(ヤバジョ)」を分析していきます。

第103回 フワちゃん・やす子

 お笑い芸人フワちゃんによる、X(旧ツイッター)上でのやす子への不適切発言。事態を重く見たニッポン放送は「フワちゃんのオールナイトニッポン0」の番組終了を発表、フワちゃんの出演していたGoogleピクセルのCM動画も公開停止となるなど、厳しい判断がなされました。フワちゃん本人もヤバいと思ったのでしょう。削除し「ご本人に直接謝ります」とXで告知。やす子の所属事務所によると、実際に謝罪はあったそうです。しかし、フワちゃんに対する非難の声は高まり続け、とうとうフワちゃんは芸能活動の中止を発表したのでした。

やす子にとって“やられ損”

 一応の解決がついたことを蒸し返すのもアレですが、フワちゃんやす子の先輩ですから、先輩が直接会いに来て謝っているのに「会いたくない」「絶対に許さない」とは言えないでしょう。また、ネット民の習性として、「児童養護施設で育ったのに、がんばっているやす子、かわいそう」と最初は肩入れしすぎるくらいやす子の味方をするけれども(裕福な家庭に育った人に対しても、誹謗中傷は許されないはずです)、それに飽きると、今度は「ひどいことをされるのは、やす子にも問題があるんじゃないか」と責めだしたり、「どうして許したんだ」とか、反対に「許してやれよ」と絡んでくる人もいます。やす子にとって、今回のことはまったくもって“やられ損”ではないでしょうか。

 芸能人にとって、セルフプロデュース能力は大事な要素ですが、爆売れしていたフワちゃんはこのあたりの嗅覚がすごいと言えるでしょう。2020年9月16日放送「あちこちオードリー」(日本テレビ系)によると、フワちゃんのブレイクのきっかけは、日テレの特番である「DAHでイッテQ!行列のできるしゃべくり系人気番組№1決定戦」で、「狙いは賞レースよりも、日テレ」と、日テレをつかめば売れるという“秘策”を明かしています。このあたりのフワちゃんの先見の明は群を抜いていて、フワちゃんは、実際に同局の「行列のできる相談所」に出演するなど、有言実行で日本テレビの懐にうまく飛び込んだようです。芸能事務所に所属せず、自由な芸風でフリーに活動してきたようにも見えるフワちゃんですが、日本テレビという大組織や、指原莉乃、有吉弘行、アンミカなど大物芸能人との交友を明らかにするなど、自分の存在価値を高めてくれる人、自分を甘やかしてくれる人を見極める目は確かなようです。