己の信念を確固として持つ高市氏と石破氏は「理想」家肌、対する小泉氏は置かれた状況を打開できるなら己のプライドをかなぐり捨てられる「現実」主義者=リアリスト。人間の持つ二面性が、激しくぶつかり合う最終章となっています。
最後の最後に
政治とは、目の前の刻一刻と変わる「現実」に応じて、最善の一手を投じるもの。このシナリオは、議員票を集めまくれば小泉氏が逆転できると信じればこそ。開票作業中の党員投票の途中経過が漏れ伝わるにつれ、実は小泉氏が逆転不可能なほど引き離されていったなら、根底から覆ってしまうのです。
しかし、えてしてそう簡単に白黒ははっきりしません。来月にでも総選挙があれば、当落線上ギリギリの議員の応援に小泉氏が応援にくるのはデカい。私の30年の選挙経験からして、僅か数百票の「超僅差」の選挙区が逆風下の今回は増える。
(表3参照)
選挙基盤が盤石でない若手にとって、小泉人気はやっぱり垂涎の的なのです。
彼らは高市氏で「勝ち馬になりかけてる方に乗るか」、いやいや負け戦覚悟で小泉氏で「選挙の顔」を作る方に賭けるか。そこで揺れる心の内をえぐり「どうやら小泉氏は善戦してるぞ!」「違うもうムリかもしれない」など虚々実々の情報戦が展開されます。最後に微笑むのは果たしてーー。