目次
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ー 再び手錠をかけられた「稀代のワル」
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ー 20年以上前からすべては始まっていた
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ー 検察からの指摘

 かつて、羽賀研二は裁判でこう語っていた。

「私は、あんなことを言われても、まだ彼女のことを、子どものことを愛しているんです。元に戻りたい。一緒に生活をしていた彼女たちのために、これから生きていこうと思っていたのです。その気持ちに変わりはありません」

再び手錠をかけられた「稀代のワル」

生まれたばかりの長女を抱っこする羽賀研二(2010年)
生まれたばかりの長女を抱っこする羽賀研二(2010年)

 以前の交際相手の父親だった梅宮辰夫さんに「稀代のワル」と称された男は、再び手錠をかけられて――。

 愛知県警は9月25日、羽賀研二(本名・當眞美喜男)容疑者(62)ら7人を、強制執行妨害目的財産損壊等容疑などで逮捕した。

「2023年6月、羽賀容疑者が沖縄県内に所有する複数の不動産所有権を、羽賀が社長を務める会社法人に権利を移転したように見せかけて、差し押さえから免れようとした疑い。愛知県警は、羽賀のほか、6代目山口組弘道会の幹部・松山猛容疑者(69)、司法書士の野崎史生容疑者(57)、羽賀容疑者の元妻である當眞麻由容疑者(47)らも共謀してウソの登記を手伝ったとして逮捕しました」(全国紙社会部記者)

 今回の逮捕は、羽賀容疑者による17年前の詐欺事件が根底にある。これまでの経緯を、芸能ライターが振り返る。

「羽賀は2001年、知人のA氏に経営破たんした企業の未公開株を、元値40万円の3倍である120万円で売り、約4億円をだまし取った。経営破たん済みだと知ったA氏は返金を求めますが、羽賀は元ボクシング世界チャンピオンだった渡辺二郎氏を差し向けて、脅迫しながら値引きを迫った。これにより2007年、羽賀と渡辺氏は、詐欺と恐喝未遂の容疑で逮捕。2013年に懲役6年の実刑判決を言い渡されました」

 多額の損失を被ったA氏は、金を取り戻そうと大阪地裁に民事裁判を起こす。

「大阪地裁は2016年、A氏の訴えを認め、羽賀に3億9000万円の支払いを命じます。しかし、羽賀は、判決の2か月後に妻であった麻由と離婚したうえで、沖縄県内に所有する複数の不動産の所有権を麻由に移転しました。財産の差し押さえをする強制執行から免れるためです」(前出・芸能ライター)

 この脱法行為によって2019年、羽賀容疑者と元妻であった麻由容疑者は、資産を隠す強制執行妨害の疑いで沖縄県警に逮捕される。

「今回の3度目の逮捕でわかったのは、羽賀が松山容疑者に関係する会社から多額の借金をしていたこと。麻由が所有する不動産を買い戻す際、資金集めに頼ったようです。松山容疑者は、融資した金4億3000万円の返済が滞った場合、羽賀が買い戻した不動産を得て、自身が運用して利益を得ることを考えていたのでは。不動産の家賃収入としては月300万円ほどあったようですから」(前出・社会部記者)