LEVEL2:この書き出し文のを埋めよ
(11)______春はきにけりひととせをこそとやいはむことしとやいはむ
(12)______。女の得(え)まじかりけるを、年を経てよばひわたりけるを、かろうじて盗み出でて、いと暗きに来けり
(13)______。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。夏は夜。月のころはさらなり。
(14)______、女御(にょうご)、更衣(こうい)あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
(15)つれづれなるままに、日暮らし、______、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
(16)______。中等室の卓(つくえ)のほとりはいと静にて、熾熱燈(しねつとう)の光の晴れがましきも徒(いたづら)なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌(カルタ)仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば。
(17)あはれ秋風よ______伝へてよ──男ありて今日の夕餉(ゆうげ)に ひとりさんまを食ひて思ひにふける と。
(18)______小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる
(19)「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、______だと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊した大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指しながら、みんなに問をかけました。
(20)月日は______にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして、旅を栖(すみか)とす。古人も多く旅に死せるあり。
監修……山口謠司先生●作家。平成国際大学学術顧問。中国山東大学客員教授。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。『炎上案件 明治/大正 ドロドロ文豪史』ほか著作多数。『日本語を作った男 上田万年とその時代』で第29回和辻哲郎文化賞受賞。