働いている様子のない容疑者夫婦
一方の康寛容疑者もまた、どこか近寄りがたい存在だったという。
「夏場はよれよれのTシャツに短パン、サンダル履き。清潔感がなく、だらしなかったですね。いつも顔が赤いので、昼間からお酒を飲んでいるのかなと思いましたが、顔のまわりをかきむしるなど肌荒れがひどいようでもありました」(別の女性住民)
毎日のように朝7時ごろと夕方4時ごろ、夫婦そろって2人の子どもを幼稚園に送り迎え。ひっそりと暮らす容疑者夫婦は事件前から近隣住民の目にとまっていた。
「夫婦で毎日送り迎えする割には、子どもと手をつないで歩くわけでもなく、自分たちだけとっとと先に行くんです。子どもは大きなリュックサックを背負わされ、道路にズルズルと引きずりながら両親の後を付いていきました。まだ小さい子だし、車の往来もある道路だから危ないなあと思っていました。リュックに何が入っているのか知らないけど、あれは大きすぎます。2人ともかわいい子でしたが、夫婦はあまり関心がないようでした。両親とも逮捕されるなんて、子どもたちが本当にかわいそうでなりません」
と近所の住民は振り返る。
チャイルドシート付き自転車を使う日もあったという。ほかにも気になることが……。
「旦那さんも、奥さんも、働いている様子がないんです。通勤するのを見たことがないので、自宅でリモートワークや内職をしていたのかもしれません。どうやって生計を立てているのか不思議でした」(近所の男性)
東京都国分寺市で9月30日に発生した強盗致傷事件では、木本夫婦宅から近い足立区内の公園で、奪った現金約550万円などの受け渡しが行われたとみられている。周辺の防犯カメラには康寛容疑者らしき人物が映っており、捜査当局が関連を調べているという。
この横浜市の事件では、宝田真月容疑者(22)が実行役として逮捕されているほか、千葉県市川市の強盗致傷事件で逮捕された藤井柊容疑者(26)と、久保田陸斗容疑者(21)も関与していた可能性がある。未穂容疑者の供述が事実ならば、回収した現金をいつ、どこで、誰に渡したのか。指示役の逮捕に向け、現金の移動を線でつないでいく執念の捜査が進められている。