10月2日、自身初の二桁勝利を投稿した佐々木朗希には、ファンから温かい言葉が(公式インスタグラムより)
10月2日、自身初の二桁勝利を投稿した佐々木朗希には、ファンから温かい言葉が(公式インスタグラムより)
【写真】「どこにいっても」温かい声も聞こえる、プロ野球シーズン最後のSNS投稿

「球団は“密約”やサイドレターを否定していますが、ポスティングを認めるまでの経緯と理由をほとんど明かしていません。むしろ、当初から“決まっていたこと”ならば諦めがつくものの、ファンが選手と球団に不信感を募らせるのは当然と言えます。

 熱心、熱狂的な応援で“世界一のファン”とも称されるロッテファン。佐々木の“最後の顔見せ”の場とされるファン感で、“伊良部の二の舞”が起きなければいいのですが」(前出・ジャーナリスト、以下同)

 1996年オフに勃発した元ロッテ・伊良部秀輝さん(享年42)によるメジャー移籍騒動。子どもの頃からの“夢”だったニューヨーク・ヤンキースへの移籍を希望するも、当時の伊良部さんはFA権を取得しておらず、保有権を持っていたロッテは拒否。

伊良部さんも参加したファン感で

 結局、引かなかった伊良部さんに折れた形で、ロッテは保有権をサンディエゴ・パドレスに譲渡したメジャー移籍が実現。が、あくまでもヤンキースを望む伊良部さんは、パドレス選手を巻き込んでのトレードを模索して入団を勝ち取ったのだった。

 1997年からMLBで6年間プレーした後に日本復帰するも、所属先は古巣・ロッテではなく阪神タイガース。引退後は暴行容疑をかけられて逮捕されたり、はたまたアメリカや日本の独立リーグで現役復帰するなど、何かと世間を騒がせ続けた伊良部さんだったが、2011年7月にロサンゼルスの自宅で自死を選んだのだった。

「この伊良部による移籍問題をきっかけにNPB、MLB間での協議が行われ、1988年に成立したのがポスティング制度。皮肉なもので、同じくロッテの佐々木の移籍によって、ドラフトを含めた制度見直しのきっかけになる可能性もある。

 そして伊良部の“メジャー表明”後に開催されたファン感です。愛想を尽かせた一部ファンからのブーイングも起きたりと、本人はファンに感謝の意を表していたにもかかわらず追い出される形でチームを去っていきました。当時を知るロッテファンは佐々木に伊良部を重ね、その“末路”を心配しているのかもしれません」

 はたしてロッテのファン感謝デーで、佐々木を迎えるのは激励の拍手か、それともーー。