6 きのこ
「きのこ類に含まれるβグルカンという成分は免疫力を高める働きがあり、がんなど、さまざまな病気の予防に効果的です。
なお、きのこ類の特定の成分を含むサプリメントが“がんに効く”という触れ込みで売られていますが、効果があるという科学的根拠は一切ないため、きのこそのものを食べるのをおすすめします」
7 脂ののった魚
「さば、いわしなどの脂ののった魚には、オメガ3脂肪酸が豊富です。オメガ3脂肪酸は、がんの原因や進行の要因になる炎症を抑える働きがあり、がんリスクの低下に効果的。
オメガ3脂肪酸はさばなどの青魚を中心に、まぐろのトロやホッケ、ぶりなど、脂ののった魚に多く含まれています。生魚はもちろんですが、さばやいわし、カラフトマスの缶詰にも多く含まれているので手軽に摂取可能です」
8 海藻
「昆布やわかめ、めかぶといった海藻類に含まれるフコイダン。コレステロールや血圧を下げるのに加え、がん細胞が増えるのを抑える抗腫瘍効果や、がんの成長に関わる血管新生を阻害する効果が。
また、抗がん剤や分子標的薬など、がんの治療薬の効果を高めるといううれしい報告も。がん治療中の人にもおすすめの抗がん食材です」
9 トマト
「トマトに含まれるリコピンという成分には強力な抗酸化作用があり、コレステロール値の改善など、生活習慣病の予防に役立ちます。海外の研究では血液中のリコピン濃度が高い人は、脳卒中のリスクが50%以上低下したとのこと。
さらにリコピンは、がん細胞が増殖するのを抑制したり、がん細胞の成長に必要な血管新生の阻害に働きかけたりして強力ながん予防効果を備えていると考えられています」
10 にんじん
「がんに効くイメージの強い、にんじん。βカロテンを多く含むにんじんは実際にさまざまながんのリスクを減らす作用が認められています。
なお、にんじんジュースががんに効くという情報が流布していますが、野菜の中では比較的糖質が多いため大量にとるのはおすすめできず、また、ジュースにすると大事な食物繊維が取り除かれてしまうため、調理して食べるのをおすすめします」
これらの“抗がん食材”を日々の献立に取り入れれば、確実にがんのリスクを下げることができる。どれも身近なスーパーマーケットで手に入るものばかり。ぜひ今日から意識したい。
佐藤典宏先生●がん専門医。九州大学医学部卒、帝京大学福岡医療技術学部教授。著書に、“抗がん食材”を使ったレシピ集『がんにも勝てる長生き常備菜』、『がんにも勝てる長生きスープ』(主婦と生活社)など。