妻源病の夫を持つ妻が夫源病の可能性も!?

 寺門さんや溝口さんが感じた、妻源病の男性の共通点は、気の弱さだという。

「“草食系”に近いですね。まじめでおとなしく、口ゲンカはもちろんのこと、人の目を見て話すのが苦手。悩みを聞いているうちに泣き出す方もいます。比較的安定した仕事に就き、身なりはきちんとしている。また、お金に細かく、妻へ生活費を出し渋る男性からの相談も目立ちます。妻側がそこに我慢できなくなって攻撃的になり、夫を追い込んでしまったのかなというケースもありました」(寺門さん)

 溝口さんは「夫の思いやりが足りなくて悪循環に陥っていることもある」と話す。

「例えば、家族での外出準備を妻任せにし、何もしないようなケース。当然、妻の怒りを招いてケンカになります。まったく夫側に落ち度がないことのほうがまれかもしれません」(溝口さん)

 さらに夫婦の男女観ギャップも、妻源病の原因のひとつと考えられている。

「トラブルのある夫婦は、家庭へのイメージが違うのです。夫はいわゆる“昭和の家族像”、妻は“令和の家族像”が当然と思い込み、それが夫婦間の軋轢を生んでいます」(寺門さん)

 妻は、子育て中は家事や育児を分担し女性も仕事を続ける令和の対等な夫婦関係と、実際の夫との違いに不満やストレスを覚えてしまう。寺門さんは、こういったすれ違いが妻源病と夫源病、両方の根底にあると多くのカウンセリングを経て気づいたという。

「妻は結婚後も働きたかったけれど、育児や家事で自分が思うような人生にならなかった。夫から下に見られ、束縛されており、実は夫源病に苦しんでいることも少なくありません。一概にどっちが悪いと判断するのは難しいのです」(寺門さん)