一時的にでもお金を目減りさせたくない……という人への、山口さんのおすすめは個人向け国債だそう。個人向け国債は、簡単にいえば、国にお金を貸して、半年ごとに利子をもらい、満期時に元本を返してもらうというもの。
利子の支払いも、元本の返済も、国が発行しているから安心だ。1万円単位から始められ、銀行預金よりも金利がいいのが魅力。
メガバンクの普通預金金利は上がったとはいえ0.02%なのに対して、個人向け国債(第175回変動金利10年満期)は0.65%と30倍以上高い。とにかくあきらめず、お金を増やす方法を探すことが大切だ。
「あるサイトで世帯年収と資産額についてアンケート調査をしたところ、たとえ年収が低くても、資産運用を続けていれば、高収入世帯に負けない資産を築けていることがわかりました。
これからの時代、お金に関する知識、マネーリテラシーをしっかり身につけることが老後の幸福度を左右するということです!」
山口さんおすすめ財テク
50代
□iDeCoを65歳まで続ける
働いて所得税を払っている人にイチ押し。60歳までは掛け金を引き出せないけれど、運用益が非課税になるだけでなく、所得税が軽減されるという大きなメリットが。
60代
□NISAで積み立てをなるべく長く続ける
いつでもお金を引き出せるようにしておきたい、働いていないという人は、積み立て投資枠で増やす。運用益が非課税になるし、手数料がリーズナブルな投資信託がそろっている。
□個人向け国債で微増を狙う
個人向け国債(変動10年)は、銀行の普通預金より高い金利がついて、元本割れしないので「リスクはとりたくない」派にイチ押し。
AI「ロボットアドバイザー(ロボアド)」に運用を任せる手も。ただし、手数料が預けているお金の1%ほどかかる。「ウェルスナビ」「サステン」「らくらく投資(楽天証券)」などのロボアドは、NISAに対応している。
教えてくれたのは……山口京子さん●ファイナンシャルプランナー。情報サイト・オールアバウト「家計管理」執筆、テレビ、ラジオ、セミナーで活動中。新著『お金も人生も薔薇色!老後計画』(主婦と生活社)で、初心者向けの老後資産づくりを指南している。
取材・文/鷺島鈴香