2024年12月15日放送、大河ドラマ『光る君へ』最終回目前の柄本佑
2024年12月15日放送、大河ドラマ『光る君へ』最終回目前の柄本佑
【写真】頬を寄せ合う柄本佑と吉高由里子

 父は柄本明。母は2018年に亡くなった角替和枝さんという役者一家。幼いころから芝居や映画が身近だった。

 14歳で撮影に挑んだ、2003年公開の映画『美しい夏キリシマ』で俳優デビューする。

家族でよく一緒に映画を見ていて、映画監督になりたいと思うようになりました。

 森繁久彌さんの“社長シリーズ”とか、すごいと感じます。自分がこの世界で仕事をすると、三木のり平さんや小林桂樹さんも、究極的な芝居だなと思いますね。

 あと、アメリカ人ミュージカル俳優のフレッド・アステアが好きです。

 彼のすごさは、僕でもできそうと思えるところ。いざやってみたら全然できない(笑)

 アステア好きは、祖母の影響でもある。

「おばあちゃんはジョン・ウェインが嫌いで、アステアが大好き。海外へ日本未公開のビデオを買いに行くような人でした。とにかくアステアが好きで、玄関にポスターを張って、家の奥にはアステアのビデオをビッシリ詰め込んでいました。僕のコレクションする癖は、完全に祖母と母からの影響です

 角替さんも、ある俳優のビデオを集めていた。

「家を建てる際、母が“ここは私のコレクション用”として作った棚があるんです。そこにはレオナルド・ディカプリオが出演している映画のビデオがズラリ。“私、面食いのはずなのに、なんで父ちゃんと結婚したんだろう”って言いながらビデオを見ていました(笑)」

 父から演技についてのアドバイスをもらうことも。

「僕のほうから聞いたことは、ほとんどなくて。ポロッと言われるんですよね。“今のでいいよ”みたいな感じで」

ダメ出しをされると安心する

 2018年に出演した舞台『秘密の花園』は、かつて父が東京・下北沢にある『本多劇場』のこけら落とし公演として出演した作品だった。

「オファーされて、どうしようかと思ったけど、台本を読んだら、やたら面白いから、こんなチャンスはないと思ってやらせていただきました。

 しかし、父が座長の劇団員がみんな見に来て。普段は僕の芝居なんか興味ないのに、父や母だけじゃなく、全員からダメ出しをくらって

 偉大な両親を持ったことで、比較されてしまうのは仕方がない。

「いや、全然ツラくないです。だって仕事だし。自分がやっていることが、合っているのか、いないのか、ジャッジしてくれる人たちで、すがりたい気持ちもあるんです。だから、ダメ出しをされると安心しますね。

 子どものころからお世話になってきた人たちなので、芝居を見られるのは嫌だったけど、その反面なんかうれしかったんだろうな、今思うと」