優勝争いは9区、10区までもつれる?

鶴川正也選手(22)青山学院大・総合文化政策学部4年。出雲1区、全日本2区で区間賞と今季絶好調(写真/アフロ)
鶴川正也選手(22)青山学院大・総合文化政策学部4年。出雲1区、全日本2区で区間賞と今季絶好調(写真/アフロ)
【写真】優勝争い必至!國學院大、青山学院大、駒澤大の注目選手たち他シード校の成績

 今回は近年では珍しく、復路争いになると和田さんは予想する。

「きっと中盤は青山学院大がリードする展開だと思いますが、優勝の行方は下手したら9区、10区までわからないんじゃないですか? 1区間で逆転可能とされるのは1分半~2分くらい。その間に、上位2、3チームがもつれている可能性はありますね。終盤での優勝争いに“勝ち切れる選手を置ける”チームが栄光を手にするはずです」

 ズバリ、優勝する大学は?

「青山学院大だと思います。今回は得意としている“先行逃げ切り”の展開にならないとしても、やっぱり箱根の勝ち方をわかっている。'15年の初制覇以来、7回も優勝している経験の豊富さに加え、いい駒もそろっている。9区、10区での優勝争いになったときに、抜け出せるのは青山学院大じゃないかなという気がします」

 2位に國學院大、3位に駒澤大を挙げてくれた。

「初優勝に向けて國學院大は勢いもあるし、雰囲気もいい。でも、やっぱり“学生駅伝3冠”(出雲、全日本、箱根)ってそんなに簡単じゃないと思うんです。何が起きるかわからないのが箱根駅伝。今までも“エースが大ブレーキ”など、まさかのドラマが多数ありました。なので“そんなにきれいに運ぶのか?”と思う部分はあります。

 駒澤大は“最強世代”の卒業で戦力ダウンした中で健闘しているんですが、他の2校と比べると選手層が薄いかなという印象ですね」

ダークホースは創価、シード権争いは?

吉田響選手(22)創価大・経済学部4年。3年のときに東海大から編入。3度目の5区山上りで区間新記録を狙う(写真/アフロ)
吉田響選手(22)創価大・経済学部4年。3年のときに東海大から編入。3度目の5区山上りで区間新記録を狙う(写真/アフロ)

 三つどもえの争いに食い込めるチームがあるなら?

「創価大は強いですよ。3度目の5区を走るであろう吉田響選手(4年)に注目。前回は区間9位とイマイチでしたが、ハマれば区間新記録やごぼう抜きなど“山の神”になれる可能性を感じます」

 前回3位の城西大など、他のシード校については、

「城西大はエースの斎藤将也選手(3年)を中心に総合力があります。帝京大は少し地味なんですが、堅実に走っていますね。大きく崩れることはない気がします。東洋大は出雲や全日本で惨敗しても“箱根に強い”チーム。今回も合わせてくるはずです。早稲田大はエース・山口智規選手(3年)が自己新をマークするなど調子がよさそう」

 取れたら天国、取れなきゃ地獄のシード権。失う危険がありそうなのは?

「大東文化大ですね。出雲は10位、全日本は11位とシード落ちで少し心配。前回6位の法政大も危ないかも……。ただ全日本には出場していないので、未知数な部分もありますが」