最近はコンサルティング業の傍ら“仕事以外の活動”にも、全力で取り組んでいる成澤さん。'24年9月には、パリコレのランウェイを歩き、話題を集めた。
パリコレで“モデルデビュー”!
「『パリコレに出たい』といろいろな人に言っていたら夢が叶いました(笑)。きっかけは、世界的に有名な講演イベント『TEDxYouth@Kumamoto』での登壇。そのときに衣装を提供してくれたブランドがパリ・ファッションウィークにも出ていると知り、パリコレに出たい! と思っちゃったんですよね。
僕は何かを思いついたら、すぐ人に話す癖があって誰かに会うたびにパリコレの話をしていたんです。すると、ファッションデザイナーの、けみ芥見(あくたみ)さんとのご縁があり、パリコレのモデルに起用してもらいました」
観客たちは白杖を持ってランウェイを歩く彼に目を奪われ、大きな拍手が湧き起こったという。
「目が見える人は恥ずかしくて『パリコレに出たい』とは言えないんですよ。笑われたらどうしようとか、舞台で転ぶのを見られたくないとか、そんな感情が先行する。
でも僕は目が見えないから、人の視線が気にならず、あまり恥ずかしいという感情が湧かない。恥ずかしさを理由にチャンスを逃すのはもったいないですよ」
成澤さんは「目が見える人は、周りが気になって大変そうですよね」としみじみ語った。
そんな彼が、3年前から取り組んでいるのが光るキックボクシング、名づけて「ローヴィジョンボクシング」の開発。
グローブやすね当て(レガース)に光るライトを仕込み、目が見えずとも相手の光の動きを捉えてガードや攻撃をする、新感覚のキックボクシングだ。
成澤さんとともにプロジェクトを進めている筑波大学准教授・落合陽一さんはこのローヴィジョンボクシングの社会的な意義について次のように話す。
「私たちは視覚障がいに対するアプローチの一環として、このプロジェクトに取り組んでいます。成澤さんがキックボクシングに挑み、テクノロジーとともに新しい感覚や挑戦を開拓する姿を応援する喜びを共有しています」