《今年は、戦後80年の節目を迎えます。終戦以来、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられた一方で、現在も戦争や紛争により、世界各地で多くの人の命が失われていることに深い悲しみを覚えます。
平和な世界を築いていくために、人々がお互いの違いを認め合い、共に手を携えて力を合わせていくことの大切さを感じます。新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩んでいくことのできる年となることを祈ります》
天皇陛下の新年のご感想
元日、天皇陛下は新年に当たり、このような「ご感想」を発表した。またこの日、皇居で「新年祝賀の儀」が行われた。年の初めに陛下が皇后さまとともに、皇族や内閣総理大臣ら三権の長、それに各国大使などから新年の祝賀を受ける儀式で、午前11時過ぎから、皇居・宮殿「松の間」で両陛下が、長女の愛子さま、秋篠宮ご夫妻や佳子さまとともに儀式に臨んだ。佳子さまは、ローブデコルテに勲章とティアラを身に着けた。同じ装いの愛子さまと並んで立ち、華やかな二人は、人目を引いていた。
1月2日には、新年一般参賀が皇居で行われ、約6万人が訪れた。昨年は元日に、能登半島地震が起きて中止されたため、2年ぶりの開催となった。
天皇、皇后両陛下をはじめ愛子さま、上皇ご夫妻、それに秋篠宮ご夫妻と佳子さまらが宮殿・長和殿のベランダに立ち、集まった人々の祝賀に応じた。青緑色のロングドレス姿の佳子さまは、両親の隣に立ち、参賀者たちに笑顔で手を振った。
佳子さまは1月9日、東京都港区の麻布台ヒルズギャラリーで開催中の「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」を鑑賞した。人気ゲーム「ポケットモンスター」を題材に、人間国宝から若手までの現代工芸作家20人の陶芸や彫金、染織などの作品約80点を展示している。佳子さまは、案内した関係者に笑顔で話しかけながら、熱心に見て歩いた。
1月10日、天皇、皇后両陛下が学術研究の第一人者から講義を受ける「講書始の儀」が、皇居・宮殿で行われた。愛子さまや秋篠宮ご夫妻、それに、佳子さまらも出席した。服装史学が専門の武田佐知子・大阪大学名誉教授と国際経済学が専門の矢野誠・京都大学名誉教授、それに、免疫学が専門の谷口維紹・東京大学名誉教授の3人が、それぞれ講義を行い、鮮やかな緑色のロングドレスに帽子姿の佳子さまも真剣に耳を傾けていた。