![世界一優しいチョコレート『andew(アンジュ)』](https://jprime.ismcdn.jp/mwimgs/d/5/620mw/img_d5da85f63c8cc94cb7cddb5bd6254fa51058250.png)
「チョコレートを通じて、温かいコミュニケーションが生まれたらと思っています」
そう語るのは株式会社『Spin Life(スピンライフ)』代表取締役で医師の中村恒星さん。医師として働く傍ら、皮膚難病患者向けの完全栄養食チョコレートや、妊婦でも食べられるチョコレートの開発や販売を行っている。
食事が困難な患者のために研究
![中村医師](https://jprime.ismcdn.jp/mwimgs/d/5/420mw/img_d587f6e5f4bdc5946ccd6d1a9dabfd361276831.png)
「学生時代、皮膚難病である『表皮水疱症』の患者と出会ったことを機に、完全栄養食で且つ彼らでも食べやすい食品を作ろうと思いました。というのも、この病気の患者は、皮膚の剥離と再生を繰り返すので、健常な人よりも多く栄養を摂取する必要があるのですが、口内や食道が傷つきやすく、食事が困難なんです。
そんな患者を目の当たりにして、闘病生活が少しでも明るくなればと思い、研究を始めました。コロッケやたいやき、フライドポテトなど、いろいろな物をミキサーにかけて試作品を作り、最終的にチョコレートにたどり着きました」(中村さん、以下同)
中村さんが開発した表皮水疱症患者向けのチョコレート『andew(アンジュ)』は口内への刺激を軽減するため、普通のチョコレートよりも溶ける温度を2℃低くしているそう。さらに、チョコレートは完全栄養食で、表皮水疱症患者が豊富な栄養をより手軽に摂取できるようレシピを工夫したという。
このチョコレートの販売が軌道に乗り出した頃、中村さんは新たな試みとして妊婦向けのチョコレート『Enchamble(アンシャンブル)』の開発に乗り出したそう。
「妊娠期に不足しがちな鉄や葉酸、ビタミンCなどの栄養素を含んだチョコレートを作りました。3粒食べれば1日分の十分量が摂取できます。妊娠は病気ではなく、むしろ喜ばしいことですが、妊娠期間は制約も多く、病気を持っている人と発生する制限はそんなに変わりません。足りない栄養を摂取するならサプリメントでもいいと思われるかもしれませんが、チョコレートならプレゼントもしやすいですし、そうしたことを通じてコミュニケーションに繋がればと思っています」