石田ゆり子と活動をともに。“動物が持つ力”を信じて

 山田あかね監督は、動物好きで知られる俳優・石田ゆり子とともに「ハナコプロジェクト」を立ち上げ、飼い主のいないと猫の医療費を支援する活動も行っている。
 
「石田さんとは映画に名前をつける日』(2015年公開)を見て気に入ってくれたのがご縁で、ドキュメンタリーのナレーションをお願いしたり、『家族になろうよ と猫と私たちの未来』というNHKの特番で司会をしてもらうようになりました。

 その流れで“何か一緒にやりたいですね”って話になったのですが、お互いに本業があるから猫を預かるシェルターはとうてい無理……。

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』(山田あかね監督) (C)『犬と戦争』製作委員会
『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』(山田あかね監督) (C)『犬と戦争』製作委員会
【写真】戦争で傷を負った兵士たち。犬とふれ合う「ドッグセラピー」で笑顔に

 それに長年取材を続ける中で、志は高いけれどうまくいかなくなる人たちをいっぱい見てきました。自分たちでもできる最善の方法を考えて、2022年5月からスタートさせたのがハナコプロジェクトです」

 現在は全国13の動物病院を通じて、保護・保護猫の不妊去勢手術費用、飼い主のいない子・子猫のケア費用を支援しており、活動は一般からの寄付でまかなっている。
 
動物が持つ力って本当にすごいと私は思っていて、それは今回のウクライナでも改めて実感しました。海外では兵士のためや刑務所などでもドッグセラピーが行われていて、厳しい状況に置かれた人を救う力があるんだ、と。

 おばあちゃんが猫を膝に乗せたりするのも血圧を安定させる効果があるそうですし、温かくて気持ちが穏やかになりますよね。これからもずっと、や猫と関わっていきたいと思っています」 

『犬と戦争 ウクライナで私が見たこと』2月21日(金)より全国公開 監督:山田あかね 配給:スターサンズ https://inu-sensou.jp/

取材・文/川合文彦