愛子さまとの比較
立派に務めを果たされた、悠仁さまに称賛の声が上がる一方、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授は、悠仁さまの“アドリブ力”に焦点を当てる。
「18歳という年齢を踏まえると、ご立派な会見だったと思います。一方で、好きな女優やアイドル、音楽の質問に対し、具体的な固有名詞は回答されませんでしたが、もう少しアドリブ力があるとよかったと思います。
今のご時世、正直に答えることは憚られるとはいえ、秋篠宮さまが成年会見をされたときは同じような質問に『ビートルズ』と回答されています。何かしら具体的に答えることで、国民に寄り添う姿勢を見せられたと思います。今回の悠仁さまの場合、そうしたアドリブ力を感じる場面が少なかった印象です」
皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は「無難だけれど独自の未来像が見えなかった」としつつ、次のように話す。
「これから皇室はどのような点を変えていくべきかといった将来の展望について、あまり言及されなかったことが残念でした。ただ、悠仁さまがこれからどのように成長されていくのかは未知数です。今回の会見だけで評価することは難しいでしょう。むしろ無難だったことで、合格点に達しているという評価を受けられたのかもしれません。今後、悠仁さまが皇室と国民の在り方の変化をどのように捉え、どのような未来図を描いていかれるのか、大いに関心を持ちました」
ある宮内庁関係者は、悠仁さまと愛子さまの成年会見を比較し、見解を述べる。
「注目すべき点はアドリブでお答えになる関連質問です。愛子さまは“成年を迎えて両陛下にお伝えしたいこと”という関連質問に対し、ご家族への愛情を語られ、両陛下に“生んでくれてありがとう”と伝えたいと話されました。これは雅子さまが出産後の会見で“生まれてきてくれてありがとう”と話されたことと対になっています。
両陛下の具体的な言葉については回答を控えられましたが、ご両親への感謝が伝わってきました。一方の悠仁さまは戦争に関する上皇ご夫妻との具体的な会話の内容には言及されませんでしたが、ご自分はどう感じ、どんなことを学ばれたのか、もう少し詳しく説明してもよかったのでは」