目次
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ー 登場人物の根底にある「はみ出し」
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ー 「音楽と演技」二刀流と相互作用

「ミステリアスで、ものすごく難しい役どころ。そして“黒川がどうしてそうなったのか?”という後半の人間味。すごく複雑で魅力的な役だったので、ぜひやりたいと思いました」

 と話すのは、4月10日にスタートした『MADDER その事件、ワタシが犯人です』に出演しているflumpoolのボーカル・山村隆太

登場人物の根底にある「はみ出し」

 高校生・茜(五百城茉央/乃木坂46)は偏差値78超。何事も完璧にこなせるがゆえに、興味を惹かれるものがない。そんな乾ききった日々を送る中、残忍な殺人事件が起きる。騒然とする現場で目撃したのは黒川悠(山村)。通う高校の出入り業者として再会すると、その犯罪のにおいに強烈に引きつけられていく……。

「起こっていく事件、張り巡らされたメッセージ。それがどんどんつながっていく爽快感。とても考察しがいがあると思います。僕もわからないものにすごく興味を惹かれるんですが、1話1話、本当に予想外でした(笑)」

 言葉の裏には意味があり、一挙手一投足に気が抜けなかったと撮影を振り返る。

「僕の個人的な感覚でいうと、枠の中で生きていてもそれを一歩はみ出してみれば、きっと素晴らしい世界はある。でも人の目を気にしたり、批判を恐れたりして抑制してしまう。黒川の狂った部分や、茜が人を試し、事件を起こしながら人とぶつかっていく姿の根っこには、対人関係からのはみ出しがあると思います。それをミステリーという謎解きの中で楽しんでもらいながら、心がほっこり……とはならないか(笑)。人生の面白味のようなものを感じてもらえたらいいなと思います」