■身体の内側・外側両方に原因が潜んでいる
足臭の原因は、汗・角質・靴の3つだという。「1日中、ブーツをはいて歩きまわっている人などは、夕方くらいからニオい始めますね」(ニオイの第一人者、五味常明先生・以下同)。足を洗えばニオイが取れることが多いが、中には何度洗っても、プーンと鼻についてしまうケースも。「洗ってもニオイが落ちない人は、身体の中からニオイ物質が出ています。特に、むくみがある人は要注意です」
■まず足指を清潔に保ち、スプレーなどで消臭を!
足裏は汗腺が集中しており、汗を放置すると皮膚常在菌によって分解され、脂肪酸となりニオイを発する。また、足裏の角質がはがれ落ちると常在菌はそれを栄養分とし、靴でムラされた状態の中で活発になっていく。
「消臭スプレーやクリームを足指に塗り、靴下やストッキングをはいてムレを防止すると、ニオイが軽減します」
また、靴自体にも吸汗性のある中敷きを入れ消臭スプレーを噴射するなど、Wでケアしよう。
■夕方のニオイがキツイ人は疲労臭の疑いが!
洗ってニオイが取れるのは、身体の外側に原因がある場合だけ。
「足を清潔に保ってもニオってしまうのは、むくんだ足のせいです。疲れた足は血行が悪くなり、身体の中から出るアンモニアが汗に混じりニオイます」
いわば、これは足の疲労臭。疲れを長引かせないことで、改善される。
「お風呂に入ったらゆっくりマッサージして、大量の血液を心臓に戻し、血行をよくしましょう。アンモニアはアルカリ性なので、湯船にお酢(クエン酸)を入れて酸性にすると、さらにアンモニアが出にくくなります」
入浴時に、足の先から太ももまで、下から上に足をなで上げるようにマッサージするだけでOK。お酢を入れるとさらに効果的。
(取材・文/中尾巴 イラスト/柏屋コッコ)
〈お話を伺った先生〉
五味クリニック院長・五味常明先生 ●昭和大学医学部卒業。昭和大学形成外科などで形成外科学、多摩病院精神科などで精神医学を専攻。医学博士。体臭多汗研究所設立。著書に『気になる口臭・体臭・加齢臭』などがある。