小林「それを見つけられたというのが、彼らが成功した理由でしょう。そして、彼らのオンリーワンの芸と、時代背景やいろいろな要素がバシッと合った時に爆発するんですよ。お笑いライブなんかを見ていると、徐々にムーブメントがつくられていっているのがわかるんですよね」

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小林雄司(こばやし・ゆうじ)●1967年生まれ。東京都出身。サンミュージック入社後、立ち上げ間もないお笑い部門プロジェクトGETに配属。小島よしお、鳥居みゆき、スギちゃんなど人気芸人をメディアに送り出してきた。現(株)サンミュージックプロダクション プロジェクトGET部長。
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リッキー「たしかに裏方は、ムーブメントが来ているのがわかるんですよ。スギちゃんがブレイクするのも何となく分かっていて、以前から僕らが企画しているお笑いライブにスギちゃんが参加していて、注目していました。

 サンミュージックに所属しそうなころに小林から“実はワイルドというネタがあるんですよ”と聞いて『レッドカーペット』や『ガキ使(ダウンタウンのガキの使いやあらへんで)』の『山1グランプリ』で引っかかるな~、と話していました」

小林「芸人に面白くない人は“いない”と思います。少なくともみんな、自分は面白いと思ってやっているわけで。ただ、やっぱり食べていくためには大勢の人が面白いと思わなければいけない。それはいろいろな要素が絡まってこないといけません。

 でも、ブレイクしている期間っていうのは長くは続かないので、どこかでみんな魔法が覚める。“ゲッツ!”や“そんなの関係ねぇ”だけでは食べていけません。どうしても時代は変わっていってしまいますからね。そのときに竹山はテレビ番組の構成上、必要なキャラとしてうまくシフトチェンジできました」

リッキー「別に何かのギャグを竹山がやるわけではなくてね」

小林「ギャグだけでは絶対にどこかで飽きられちゃう。でも思うのは、また“時代”は来るということ。やり続けていれば、またみんなが面白いと思うときが絶対にまた来る。だから“一発屋”と言われていても長生きしている芸人さんが多いんです」

——確かにサンミュージックの芸人さんは“一発屋”とは言われながらも、“一発”で終わらずに、長期的にテレビに出演されている方が圧倒的に多いですね。

リッキー「僕は一発屋のギャグというのは、カラオケで歌われ続ける名曲だと思います。名曲と呼ばれる作品って、一回飽きても“最後はやっぱりこの曲だよね”みたいな感じでまた歌い継がれていきますよね」

小林「やっぱりヒットしたというのはそれなりにちゃんとしたものをつくっている。理にかなった面白いものをつくっているんです。また、ふと思い出したときに“あれは面白いじゃん!”ってなるんだと思いますね」

*今回の連載【エンタメヒットの仕掛人】で行われたインタビューは全4部構成。本編はその第3部になります。最終回は年明け1月2日に公開予定です。