2月末、東京・三軒茶屋の街角にあるこぢんまりとした洋食店が閉店した。入り口には《予定が早まりましたことお詫び致します》との貼り紙が。
「斎藤工さんのご両親がやっていた『スープとケバブ 食堂デリカッテ』というお店です。2月29日が最終営業日ということだったのですが、3日繰り上げて26日に閉店してしまいました。
店を閉めることが知られてから、なじみのお客さんや斎藤さんのファンがたくさん訪れたんです。連日の行列で、ご主人は疲れてしまったのかもしれませんね」(常連客)
以前からファンの間では有名な店だったが、斎藤が『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)でブレイクしてからは客足も増えた。
「中近東料理のケバブとフレンチのチキン赤ワイン煮をメニューに並べるユニークなお店でした。お客さんを大切にするいい店だったので閉店は残念です」(前出・常連客)
店のほど近くには、彼の実家もある。その場所を知られてしまったことで、迷惑行為も起きていたようだ。
「呼び鈴を鳴らされたり、家の写真を撮られたりすることもあったそうです。しかたなく表札をはずし、母方の名前にしてわからないようにしていました」(近所の住人)
心ない一部の人の行いも、閉店のきっかけになっていたのかもしれない。ただ、完全にやめてしまうのではなく、別の土地に新たな店をオープンするのだという。
「大分県臼杵市に移転するそうです。店のスタイルを変えて不定期で営業すると聞きました」(前出・常連客)
ずいぶん遠い場所に移るわけだが、斎藤家にとっても、大分は縁のある場所。'12年に出演した『A-Studio』(TBS系)では、姉が嫁いでいった場所が大分だと話していた。
実際に両親と会ってインタビューをしたMCの笑福亭鶴瓶が「大分に住み着いて、そこでお店しようかって言っていたで」と裏話をすると、斎藤も「そうなんですよ、たまに土地を探していたりして。僕も大分に通えないかな、なんて思っているんです」と返す一幕も。
どうやら今回の移転は、数年越しの夢が叶ったということでもあるらしい。
「工さんは家族思いなので、年を重ねたご両親を気遣ってか“そろそろお店はいいんじゃない?”と、以前から伝えていたみたいですよ」(斎藤の知人)
さらにこう続ける。
「彼も今や立派に俳優としてひとり立ちできているので、ご両親も不安要素がなくなったのでは。温泉があって、食べ物もおいしいので、ご家族も大分を気に入っているとか。またのんびりとお店を開くことができますし、娘さんの近くに住むほうが何かと安心でしょう」(前出・知人)
両親はすでに引っ越したと言われていたが、実家を訪ねると斎藤の母親が現れた。デリカッテを閉めたことについて聞いてみた。
「ちょっと……それについてはすみません」
そう言って家に入ってしまった。家の前には食器類が詰められた段ボール箱と“ご自由にお持ちください”という札が立てかけられていた。もしかすると、近いうちにこの場所を離れるのかもしれない。