「立ち会いはない……とは思うけど、でも生まれたら身体が心配だし、奥さんの。まぁ見に行くかな。興味本位みたいになっちゃうけど(苦笑)」

 Aさんのことを“奥さん”と呼んだ。籍は抜けたものの、長年連れ添ったパートナーであることには変わりはない。

――加藤さんとは、ご友人関係だったと思いますが、いまのお気持ちは?

「それは人の恋愛ですから……、ふたりが決めたことでしょうし、まぁ自分が口を挟むことではないな……と」

 最後まで、感情を高ぶらせることなくクールさを保つ。取材を終えたとき、柴田は気遣わしげに言葉を発した。

「これってどんな感じの記事になるんですかね? 単純に、奥さんと離婚した。理由としてそれ(Aさんと加藤の浮気)だってことで、奥さんはちゃんとした区切りをつけようとしたってことだけ、ちゃんと書いていただければありがたいですね。子どももあることだから、そこだけかばいたいので……」