芸人・バカリズム×人気俳優・竹野内豊がタッグを組んだ異色作として、話題と人気を呼んだ作品がスペシャルドラマ『素敵な選TAXIスペシャル~湯けむり連続選択肢~』(フジテレビ系 4月5日火曜夜9時~)として帰ってくる。
「連続ドラマを見ていた方には、お待たせしました! 初めての方にも、スペシャル感丸出しで楽しめる内容になっています」
そう自信を見せるのは、脚本を担当したバカリズム。竹野内演じる主人公の枝分が、過去に戻れる不思議なタクシー“選TAXI”で、人生の選択に失敗した乗客を、やり直したい分岐点まで送り届けるエンターテイメントドラマ。
枝分が行きつけのカフェの店長役で出演しているバカリズムだが、脚本を書き進めるうちに、枝分という男が好きになったという。
「竹野内さんが自分のものにしている枝分が好きなんです。憑依している感じで僕の想像以上のことが起きます。竹野内さんが演じるから男前だけど、抜けていてスケールがちっちゃかったりする枝分をずっと見ていると、男前ぶりが気にならなくなり、変な人に見えてくるんですよ。
僕の中では、もはや竹野内さんは面白い人になっているし(笑い)。今回の枝分は、スペシャルだと完全にわかったテンションで書いたので、はしゃぎぎみ。ちょっとウザい感じで乗客と接しています(笑い)」
舞台は、湯けむりが立ちのぼる温泉街にある旅館。宿泊客が、それぞれ人生を左右するトラブルに次々と見舞われ、複数の乗客の“やり直し”が同時に展開する。
オムニバス形式のドラマだが、各人が複雑に絡み合ってクライマックスに向かい、見応え十分な内容になっている。
「初めに乗客1、2の話というふうに、別々に書いてから、つながりを書いていきました。脚本を書くのは大変な作業だけど、ふだんコントを書いているので初めてやることではないんです。こだわりは、どの話もコンスタントに笑える部分を必ず入れているところ。芸人の性ですね。笑えるドラマにしたいと思って書きました」
意外性のある発想・展開が評価され、昨年『第3回市川森一脚本賞』の奨励賞を受賞した。
「モテたい、チヤホヤされたいと思って初めて連ドラの脚本を書いたのに、しかも受賞までしたのに、全然ボクの周りでは話題にならなかったですよね。
現役で仕事をしている芸人が、ゴールデンタイムのドラマを10本も書いたということに、もっと驚いてほしかった。今回だって2時間超のスペシャルを書いているんだから、もう1回そこをちゃんと考えてほしいです!」
そう本音(?)を吐露。そんな彼が“選TAXI”に乗るとしたら?
「最終的には乗らないと思います。乗れたら便利だと思うけど、乗らずに一生懸命に生きている人に負けたことになっちゃうのが嫌だから。ドラえもんの四次元ポケットと同じで、想像するのは楽しいんです。でも本当に来たら、きっと乗らない。乗ってやり直さなくてもいいように、これからを頑張っていきたいと思っています」