ヤセ菌を増やすには発酵食品や食物繊維
「ヤセ菌の栄養源となる短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)が含まれる食品を食べるのがおすすめです。
酢の物、フルーツ、ヨーグルト、食物繊維などを取り入れましょう。市販のヨーグルトはそれぞれ菌の種類が違うので、毎日100g程度、2週間くらい同じものを続けてみて、自分に合ったものを探すようにしてください」
腸内で善玉菌が優勢なときは、ヤセ菌が活性化して増えるため、善玉菌が喜ぶものを食べるのがポイント。
「食物繊維がたっぷりの乾物と発酵食品であるヨーグルトの組み合わせも、腸内の善玉菌のエサとなります。なかでも海藻などの水溶性の食物繊維はダイレクトにヤセ菌を増やしてくれます。
実は海藻を食べて、栄養素として消化吸収できる腸内細菌をもっているのは日本人だけ。外国人の場合は、消化吸収せずに体外に排出されることがわかっています。
また、日本古来の発酵食品といえば納豆がありますが、納豆じたいは善玉菌でも悪玉菌でもありません。ヤセ菌がたくさん含まれる日和見菌の塊なのです。善玉菌のために非常によい食品といえますね」
発酵食品もそうだが、古来からずっと食べられてきたものは腸内環境にいい影響を与えてくれるため、ヤセ菌を増やす食生活のヒントになるはず。
一方で、食べ物の好みからもヤセ菌が多いか少ないかがわかるそう。
「デブ菌は肉や揚げ物が大好きなので、脂っぽいものが食べたくなるときは、腸内にデブ菌が増えている可能性があります。やせたい人は、低脂肪、高食物繊維の食事を意識して、デブ菌を減らすようにしましょう」
【プロフィール】
◎藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)
1939年、旧満州ハルビン生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。東京医科歯科大学医学部を卒業後、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。腸や水についての著書も多数。