『ぼよよん行進曲』に込めたメッセージ
帰国後、地元・岡山の開業医が主催したフィリピンのストリートチルドレンを救うためのチャリティーコンサートに出演。
そこからNHK『おかあさんといっしょ』の体操の曲として長年愛された『ぱわわぷたいそう』('05年~'14年)を歌うことに。劇団ひとりが“心の支え”と公言している大人も泣ける名曲『ぼよよん行進曲』('06年)に続いていく。
「僕が体操の曲を歌うっていうイメージがないようで、かなりビックリされた方もいらっしゃったみたいです(笑)。ただ、自分の中では必然のようなお誘いでしたから、自然に受けることができました。
『ぼよよん行進曲』というものを作り残せたことは、自分にとってもすごく大きなことだったと思います。子育ては、ストレスがたまることもあると思う。
“大変なことがたくさんあるけれど、自分の足のバネを信じて頑張っていこう”というメッセージが、奮闘する親御さんたちに伝わったようです。楽しい曲だけど、泣ける。でも、泣くことで、また頑張る力が湧いてくると」
'00年以降、何をモチベーションにして曲作りをすればいいのか、自問自答する時間がたっぷりあった。音楽から離れたいと思ったことも。『ぼよよん行進曲』を作っているときもそう。聴く人に寄り添って書いたメッセージは自分自身にも向けられていた。
「“いまより高く飛び上がるタイミングがくるから、そこまで頑張ろう”と、自分にも語りかけていたと思います。
世の中には出ていないけれど、貢献活動で作った曲もありました。『美しい唄』は北海道の美唄という町との出会いがあって書き下ろした曲。今回、10年越しでレコーディングをさせていただけた。
何年かかろうと時が来れば世に届けることができるんですね。納得がいく作品を作り続けてこれたと、この節目に振り返ることができたのは、ありがたいし、幸せなことです」
いろいろ変わったけれど、声は変わらず
あまたのヒット曲を当時の声で聴くことができるベストアルバム『All Time Best~KEIZO's 25th Anniversary』には『Choo Choo TRAIN』など楽曲提供した曲のカバーや『美しい唄』のように新たに録った曲も収録されている。驚くのが、デビュー当時と変わらない気持ちのいい高音のソウルフルな歌声。
「いろいろ変わっているところもありますけど、そうなんですよね。変わらないように一生懸命やっております(笑)。マイクを使わないコンサートをやったりして、声楽を学んだことが功を奏しているのかもしれません。
この先ですか? 世の中の流れに身を任せながら、チャンスに向かって思い切り爆発できる、立派な“大人子ども”でいたいですね。
いろいろ世間を騒がせましたが、2度目の結婚はとても幸せに過ごさせていただいておりまして(笑)。ふたりでいろいろなものを見て、ワクワクしながら過ごすこともプラスになっています。
25周年を迎えて“圭三チャレンジ”と題して、いろいろなことに挑戦しています。11月には華々しく大所帯のバンドでライブもします。これからも果敢にチャレンジしていきますよ」
<ライブ情報>
デビュー25周年と52歳の誕生日を祝うライブ『祝宴 -UNITE! 全員集合!-KEIZO NAKANISHI's 25th Anniversary & 52nd Birthday Live』を11月10日、品川プリンス・ステラボールにて開催
<作品情報>
25年の歴史をたどるコンプリートベストアルバム
『All Time Best~KEIZO's 25th Anniversary』9月7日発売。2CDには全30曲、DVDには11曲を収録。初回限定盤(2CD+DVD)5000円+税、通常盤(2CD)3500円+税