「紀香さんが3月に行われた結婚会見の際“仕事は続けるけれど、いちばん大事なのは夫の仕事。芸能活動は許される範囲で頑張りたい”とおっしゃいましたが、それを“片手間でやろうとしているのか”と、よく思わない人がいることも確か。
歴代のお嫁さんたちはみなさん、1度、芸能活動を引退したり、セーブしたりしています」(前出・石川さん、以下同)
紀香にとって梨園の妻の大先輩にあたる、四代目坂田藤十郎の妻である扇千景は、結婚のために宝塚歌劇団を引退し、芸能活動から一時、離れている。
同じく、七代目尾上菊五郎の妻である富司純子も結婚とともに引退。それは“梨園の妻”としての務めが、簡単なものではないからなのだ。
「まず大事にしなくてはならないのは、ご贔屓さんとのお付き合いです。歌舞伎も巡業がありますから、日本全国にいるお客さまを覚えなくてはなりません。
並の記憶力では、顔と名前を覚えるのもつらいでしょうね。同じ話を何度もしないよう、会話にも気を配らなければなりませんし」
会話の糸口になる言葉を探すためには、ご贔屓さんの好みそうな場所や食べ物、歌舞伎の題目の話だけではなく、二十四節気や七十二候などの季節を表す言葉を押さえたり、新聞を読んで時事ネタを叩き込むなど、いくらあっても時間が足りない。