彼女が亡くなって、ひとつひとつ思い返しました
なかでも親しかったのが、2年先にデビューし、高校では同級生だった故・岡田有希子さん。高3の3学期に出席日数が足りず、教室で2人、補習を受けた。アイドルとしての私とは? でも、その前にひとりの人間でもあるという葛藤……。新しい世界で初めて近しい存在になった友人と胸の内を語り合った。
「彼女が亡くなって、私にどんな思いで話してくれていたんだろうって、ひとつひとつ思い返しました。だから彼女の考え方が私の中にすごくインプットされている。彼女が苦しくて越えられなかったところの先に行こうと、その思いで頑張れたところもあるんです」
周りに救われた思い出がもうひとつ。『ザ・ベストテン』で落ち葉のセットをドレスに巻き込まないよう背伸びして歌い、なんとか難を逃れたことに安心したら、歌詞が飛んでしまった。
「出演者は立ち上がって応援してくれ、(黒柳)徹子さんがあわてて台本を投げてくれた。ジーンとしていたら結局、16小節も空いてしまって。なのに翌日のメディアには“恋愛しててうわの空だったから”とか“共演者と険悪で”とか言われて、もうね、終わったなと(笑)!」
だが歌手として、そして実力派女優としても地歩を固め、今年は25年ぶりのソロコンサートが大盛況。
「子ども連れで素敵なオジサンになったファンも多くて、ただただ楽しかった! でもだから、これでアイドルとしてのコンサートはおしまいにしようかなって。
だって私、家では老眼鏡かけて肩が痛いなって言ってるおばちゃんだもの。もう『恥ずかしすぎて』でもないでしょう?
普通の50歳になりたいの。そして可愛いおばあちゃんになっていきたいんです」