「私、失敗しないので」の台詞でおなじみのドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系・毎週木曜夜9時〜)。毎回、高視聴率を叩き出すドラマの魅力を最終チェック!

記憶に残る“濃い”キャラクター

 

 米倉涼子演じる、主人公・大門未知子をはじめ、非常に濃いキャラクターたち。芸能評論家の肥留間正明氏はその魅力について、

「未知子のキャラクター設定が、フリーの一匹狼で生きていくというところがいいです。組織の中で自分を貫き通す姿は、視聴者の夢なんだと思いますよ。それでいて、麻雀や卓球をしたりするところは、医師としての部分とギャップがあって、親しみやすいキャラクターだと思います」

 そんな彼女を取り囲む人物たちも、主役に負けない個性派ばかりだ。

「麻酔科医の博美役の内田有紀さんは非常に重要です。なぜかというと、手術は麻酔科医がいないと成立しないから。どんなに優れた外科医でも麻酔科医の指示で動いています。その点で未知子と何でも言い合うことのできる博美は重要な役割だといえます。

 ほかには勝村政信さんと遠藤憲一さん。上司の言いなりになっている医師役のおふたりも、なくてはならない存在になっていますね。岸部一徳さんの、1000万円とか1億円の領収書を渡してスキップして去っていくという役も、欠かせません」(前出・肥留間氏)

脚本家のオールスター集結作品

「1話完結で、最後には胸がスカッとする展開。悪い人が痛い目にあうという、勧善懲悪の世界観ですね」

 ドラマウォッチャーの田幸和歌子氏は『ドクターX』のストーリーの魅力をこのように語る。こうした世界観は脚本家の手によって生み出されるのだが、同作の脚本家陣は非常に豪華。

「ヒットの理由のひとつに脚本家がよいことが挙げられます。『ドクターX』の脚本を書いている方は、NHKの朝ドラや大河ドラマなどの第一線で活躍している人ばかりです」(前出・肥留間氏)

 同作の脚本に携わっているのは5人。彼らの顔ぶれを見ると、たしかに錚々たるメンバーが並んでいる。

中園ミホさんは、『やまとなでしこ』(フジテレビ系)、『花子とアン』(NHK朝ドラ)というヒット作を手がけました。林誠人さんは、『相棒』(テレビ朝日系)に携わりました。さらに、『てっぱん』(NHK朝ドラ)や米倉涼子さん主演の『交渉人』(テレビ朝日系)を手がけた寺田敏雄さんも参加しています」(スポーツ紙記者)

 中園ミホ氏は2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』の脚本も担当する。まさに、脚本家のオールスターが集結しているというわけ。毎回、精鋭メンバーのうち1人が、このドラマ世界を創り出しているのだ。

 脚本を意識して見ると、新しい発見があるかもしれない。