さて兼高さんも、この2月末には89回目の誕生日を迎える。
「ひとり者ですからね。それで残っているものはお金にして、奨学金を、と。勉強したい人には勉強をさせたいの。それも勉強しておしまいでなく、役に立ててほしい。それには病院や健康関係と思って」
兵庫県淡路島にある関西看護医療大学に『一般財団法人 兼高かおる基金』を設立、看護師を目指す若者たちに修学金を給付している。
「(独身なのは)『世界の旅』で青春をすべて使ってしまいましたから。でもね、“わが青春に悔いなし”です(笑)」
友人の草笛さんは、
「普通だったら仕事をリタイアして、家で“おばあちゃん”しているような年齢ですけど、ふたりともそんなところは微塵もないですね。
彼女は実は島を持っているんですけれど(『カオル・エネ』のこと。番組で訪れたマーシャル諸島共和国の大統領の兄からの贈り物)、そこに旅行できないかしら、と。80代のわれわれふたりが無人島に行って、なにをするのか──。
私がテレビ局にそんな番組を見てみたいと言ったら、“いいですねえ! なんとかならないですか!?”と(笑)。そんな不思議な旅をしてみたいですけれど、『兼高かおる老老介護の旅』になってしまうかしら?(笑)」
シニアレポーターとして、大活躍の日も近い!?
『世界の旅』は終わったが、『兼高かおる人生の旅』はまだまだ終わらない──。