タレントが等身大の姿で歌う難しさ
そんな逆風の中、昨年は異変が。俳優の桐谷健太が歌う『海の声』が大ヒットし、『紅白』出場を果たしたのだ。音楽評論家の富澤一誠氏によると、
「BEGINの島袋優が書いた楽曲がよかったし、桐谷のボーカルもうまかった。だからたくさんあるCM曲のなかでもあれだけ売れたんです。昔は人気があればCDを出すとだいたい売れましたが、今は本当にいい曲、いい歌い手でないとダメ。松たか子だって歌がうまいから売れたんです。彼女の『LET IT GO』はオリジナルよりも上でしたから。ベッキーは歌手としては個性も味もない。だからバラエティーにシフトしていったのかもしれませんね」
’14年のレコード大賞・新人賞は女優の西内まりやが受賞した。しかし、彼女もまた決して曲がヒットしているようには感じられない。西内は歌手としてはどうなのだろう。
「歌声からは売れる可能性を感じます。でも、この業界は顔がよすぎても売れないんですよ。正直、歌手で美人はいない。彼女は美人すぎるから女優のほうが目立ってしまうんです。歌以外で目立ちすぎるとリスナーが引いてしまう。うまければ必ず売れるとは限らないので、そこが難しいところです」(前出・富澤氏)
そんな中、今年になって、菅田将暉などの若手俳優4人で結成されたユニット“グリーンボーイズ”のCDが売れ続けている。
「彼らはGReeeeNの大ヒット曲『キセキ』誕生に至る秘話を描いた映画『キセキ―あの日のソビト―』でメンバーを演じたんです。歌のシーンのためにボイストレーニングを積み、練習を重ねたそうですよ」(映画ライター)
1月末に放送された『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で生歌を披露すると、GReeeeNそっくりの歌声に驚きの声が。
「グリーンボーイズは、4人とも本当に歌がうまい。本物のGReeeeNに比べても遜色がないほどです。知らずに聴いたら、本物が歌っていると思うんじゃないでしょうか」(前出・富澤氏)