ブログやツイッターで婚活指南が好評を得ている、ライター・仁科友里さんの短期集中連載「仁科友里の必殺! 婚活仕事人」。最終回となる第8回は、漫画『東京タラレバ娘』の主人公を参考に、婚活がうまくいく男性とのコミュニケーション法を学びます。

勉強や仕事はできても、婚活だけはうまくいかないのはなぜ?

 勉強や仕事は得意だけれど、婚活だけはうまくいかない。多くの婚活女子から、こんな嘆きを聞いてきました。

 なぜ婚活だけがうまくいかないのか。それは、みなさんが「男性と女性の違い」を理解していないからだと思うのです。受験や仕事は、男女で選考基準が一緒です。たとえば、受験では高得点を取れば合格に近づきますし、営業職であれば、より多くの売り上げを上げた人が、会社に評価されることになります。

 しかし、婚活で自分を評価するのは異性であり、基準は不明確です。婚活における男女の物の見方が違うことを一番よく表しているのが、『CLASSY.』(光文社)に連載中の「結婚するまで 結婚してから」だと思います。これは一般人カップルが出会いから結婚、現在の生活を語る企画ですが、女性と男性の物の見方に違いがあることを示しています。

 まず、女性は男性との出会いが「人数合わせで行った合コン」「バーで酔っ払いにからまれているときに助けてもらった」と偶然からもたらされる“運命”であることを強調します。しかし、一方の男性は「カワイイ」「スタイルが良い」というふうに、外見の印象について話しています。男女はこれだけ違うわけですから、男性の視点を理解しなければ、どんなに努力しても実らないのです。
 
 婚活がうまくいかないもう一つの理由、それは女性側の「意思表示が下手」なこともあると思います。たとえば累計260万部を売り上げ、ドラマ化もされた東村アキコの大ヒット漫画『東京タラレバ娘』(講談社)に、その傾向は顕著に見られます。脚本家になる夢に向かってまい進してきた倫子は、気づけば33歳独身彼氏なし。高校時代からの友人、香と小雪と結婚したいと願いつつ、右往左往するストーリーです。

『東京タラレバ娘』のドラマ版では、“タラレバ娘”3人を吉高由里子、榮倉奈々、大島優子が演じた

 決まった彼氏こそいないものの、倫子は独身男性と定期的に知り合います。たとえば、映画バーを経営する浦田。ルックスもセックスも良く、優しくて料理上手。けれど、いつも映画の話ばかりして倫子を疲れさせます。香と小雪は「我慢しろ」と倫子に迫りますし、倫子自身も「男と付き合うってこういう感じ」「気い遣って」「クソつまんねえ話でもうんうん楽しそうに聞いてあげて」とわかっているものの、結局、別れを選びます。