古舘プロジェクト所属の鮫肌文殊、山名宏和、樋口卓治という3人の現役バリバリの放送作家が、日々の仕事の中で見聞きした今旬なタレントから裏方まで、TV業界の偉人、怪人、変人の皆さんを毎回1人ピックアップ。勝手に称えまくって表彰していきます。第19回は鮫肌文殊が担当します。
みやぞん 様
私が構成を担当している『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)がスタート以来、10周年を迎えて、先ごろ都内某所で記念パーティーが開かれた。
深夜時代から番組に関わってきたスタッフが全員言っていたのが、「まさかゴールデンに進出して10年も続くとは思わなかった」。
しかも、10年目にして皆さんもご存知のように、視聴率的に絶好調なのだ。
番組が始まった当初、総合演出で今や日テレのエース、古立善之くんが我々担当作家に言ったことで、ものすごく覚えていることがある。
「今までのドキュメントバラエティは海外ロケしたら、目的地に行くまでの過程を番組にしてきました。でもこの番組は違います。目的地に着くまでなんてTVの前の視聴者には一切関係ないから、さっさと着いちゃってそこからロケを始めたいと思います」
私はその言葉を聞いて「その演出方針は相当新しいな」と感心した記憶がある。ご意見番・出川哲朗がVTRを受けてよくコメントしている「演者がこんなに時間かけてロケしてるのに、編集で3分にしちゃう。ここのスタッフ、頭おかしい」というブランニューな演出法が誕生した瞬間である。
『イッテQ!』が産んだスター、イモトアヤコをはじめとする『イッテQ!』メンバーの皆さんのロケでの奮闘ぶりもすごいが、その陰で番組の屋台骨を支えるのは優秀すぎるディレクター陣。