─若林先生が大学の学生にセクハラしたと聞きました。
「僕が?」
─下腹部を触った……。
「あー、はいはい。ここで? 専修で?」
─山本勉強会のほうで……。
「えっ? いつの話?」
─2年くらい前のことだと聞いています。
「やってません」
スクール内に記者を招き入れ、話を続けた。
─山本先生と若林先生が私塾を開いているのでは?
「ここ(アナウンススクール)を始めてから8年ほどは、もうやっていません」
完全に否定するが、園田さんからは'15年当時に勉強会に通っていた学生と花見をした際の写真を見せられている。
─学生さんが先生のご自宅に招かれて……。
「僕の家ですか?」
─はい。そこで、性的暴行に近いことがあったと。電動マッサージ器をあてがったり、胸を舐めるとか……。
「ほとんど、僕の自宅に(学生は)呼んでいませんね。1人か2人はいますよ。それも、20〜30年前ですかね」
最近では自宅に学生を招いたことはないと話す。
「ボディタッチはしますよ。“頑張れよ〜(と言いながらお尻を叩く仕草)”とか、“なんだ今日モッコリしてんな〜(と言いながら下から股間を転がすような仕草)とか、そのぐらいはありますよ。男同士ですからね。それをセクハラとは……」
通常は男同士で股間を触り合う光景を見ることはないが、若林氏にとっては挨拶の範囲なのだ。
自分がパワハラを行ったとも考えていない。
「ケツをひっぱたいたりケリを入れたり、“バカヤロー”っていうのはありますよ。それは指導でもあり、スキンシップでもあり、鉄拳制裁でもありますしね。その人の感じ取り方だと思います。いつも誠心誠意、接してますし(指導した学生の)合格率がすごいんですよ。
ただ、男ですからね。“お前なんで言うこと聞かないんだよ(と、あごをつかむ仕草)”くらいはありますよ。これはもう、日常茶飯のことです。それをセクハラととらえられたのだとしたら、私も相手を選ばなきゃならなかったんでしょうね、という反省はありますけれどもね。古い人間なもので」
軽妙な“若林節”は健在だったが、かつてプロレスファンを熱狂させた感動的な言葉は最後まで聞けなかった。