工夫次第で大きく儲かる部屋に

 不動産投資でしっかりと家賃収入を稼ぐためには、空室をつくらないこと=入居者が惹かれる物件にすることが大切です。そのためには、内見に来た人に「この部屋に住みたい!」と思ってもらえるような部屋作りが必須。その方法のひとつが「ステージング」です。ステージングとは、空室の部屋に家具や小物類などを入れて演出すること。例えば、窓にカーテンをかけてみたり、照明を変えてみたりと、ちょっとした演出をするだけで部屋の印象が大きく変わります。

 水まわりにだけ赤いアクセントクロスを張って赤をテーマにした部屋にするなど日ごろのセンスと家事力を生かし、コンセプトを作って楽しい部屋にするのもおすすめです。

 また、賃貸物件を扱っている不動産会社に広告企画料を上乗せして支払うのも効果的です。部屋を探している人に実際に物件を紹介するのは不動産会社の営業マン。広告企画料を弾むことで積極的に部屋を紹介してくれるもの。結果的に、すぐ借り手が見つかりやすくなるのです。

■部屋の印象が大きく変わる工夫

(1)玄関に大きめの鏡を置く

 特に女性の入居者を希望している場合は、外出前に全身チェックができるよう玄関におしゃれな鏡を取りつけてみましょう。

(2)家具・カーテンつきに

 家具やカーテンがついている部屋は初期費用がかからないため、特に単身者は魅力的に感じます。

(3)水まわりをキレイにする

 水栓を新しいものに取り換えるだけで、清潔感が増して見えます。キッチンの水栓なら、1万円前後でシングルレバーに交換可能。

(4)照明器具で明るく高級感を出す

 照明器具を1万~2万円前後の少し豪華なものにするだけで部屋の印象が明るくなり、高級感が出ます。

(5)コンセントカバーを替える

 ネットショップなどで手ごろな値段で売っているおしゃれなコンセントカバーに替えるだけで部屋の印象がアップします。

経費を抑え収入を上げるコツ

 いくら理想的な物件を購入できたとしても、毎月、現金が手元に残らないと勝ち組大家さんとはいえません。「家賃収入-経費=手取り収入」、これが賃貸経営の基本です。少しでも儲けを増やすためには、不動産投資に関する経費を削減することもひとつの方法です。ここでは、効率的な経費の削減方法を紹介します。

 例えば、区分所有マンションを購入した場合にかかる維持経費は、(1)管理費、(2)修繕積立金、(3)固定資産税、都市計画税、(4)管理会社(不動産会社)に支払う維持費用(PMフィー)、(5)保険料です。

 このうち、経費が削減できるのは保険料と不動産会社(管理会社)に支払うPMフィー。火災保険の場合、契約期間が長期になればなるほど割安になるほか、一括で支払うと割引が適用されます。

 PMフィーは、より安い管理会社に変えることで削減が可能。管理会社によって金額が異なりますが、入居者が毎月振り込む家賃や管理費の総額から3~5%を支払います。低いPMフィーでしっかりとした対応をしてくれる管理会社を見つけるには、大家さんのコミュニティーの“口コミ”などネット情報が役立ちます。

 また、余力があれば管理会社を使わずに自主管理をすると経費をグンと抑えることができます。敷金や礼金、毎月の賃料などを集金したり、契約更新や退去の手続きなど、不動産の管理業務にはさまざまなものがあります。管理業務をすべて自分で行えば、PMフィーそのものの費用を削減できます。専門的な手続きなど多くありますが、女性ならではのこまやかさが生きることも。最初からは難しくても自主管理を目指すのも手です。

〈教えてくれたひと〉

風呂内亜矢さん◎ファイナンシャルプランナー。大手電機メーカー関連会社を経てマンション販売会社に転職後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などでお金に関する情報を発信している。『その節約はキケンです』など著書多数。

浅井佐知子さん◎不動産鑑定士。浅井佐知子不動産鑑定事務所代表。大手不動産会社勤務を経て、子育てをしながら不動産鑑定士の資格を取得。著書に『世界一やさしい不動産投資の教科書1年生』など。