制度や施設について元気なうちにリサーチ
そんな状況の中、安心して余生を送れる“終の棲家”を見つけるにはどうしたらいいの?
「まずは、介護保険制度がどう変わるのか関心を持ち、把握しましょう。国は今、“介護は重度の人も、施設から在宅へ”と舵を切っています。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が増えているのも、そんな理由があるからです」(田中さん)
前出の太田さんも、
「ひと口に“高齢者施設”といっても特養、老人保健施設、介護療養型医療施設、有料老人ホーム……本当にたくさんあるんです。どんな施設で、どんなケアが受けられて、どんな人が入れて、どのくらいお金がかかるのか? いざ、身内や自分が倒れたときに、バタバタと一から調べるのは本当に大変。元気で余裕のあるうちから学んでおくといいと思います」
高齢者施設の違いが知りたい
いざ、高齢者向け施設への入居を検討し始めると、その種類の多さに驚き、困惑してしまう……。まず、気になるのが費用だが、
「介護保険で入居できる特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設の3つは、比較的低額できちんとした介護が受けられます」(太田さん、以下同)
そのほかの施設は?
「ひと口に有料老人ホームといっても、介護付きの“介護型”と、介護のない住空間である“住宅型”では、受けられるサービスが大きく異なります。また、施設ごとの差もあります」
費用だけでなく、介護の対応についてもしっかりチェックする必要がある。また、要介護度が重くなって継続的な医療行為が必要になったときには、退去を迫られるケースも。吉野槇一医師は、
「最期まで手厚いケアを受けるには、介護と医療の連携が不可欠。その施設で、人生の最期を迎えられるのか、“看取り”の対応の有無も確認してください」
では後半は、各施設を8タイプに分けて、それぞれの特徴を具体的に紹介していこう。