こうした2世たちの不祥事について、芸能レポーターの石川敏男氏に聞いた。
「(橋爪の件で)30歳を過ぎた男の責任をなぜ親が持たなければならないのかという意見もありますが、親の七光で芸能人になった以上は親の責任になります」
としたうえで、不祥事が生まれる構造をこう分析。
「テレビ番組を作る側に安易な側面があります。2世タレントは話題になるので、とにかく使いやすいんですよ。“あいつは親よりも才能があるから”という理由で使うのではありません。それでいて、周りの人はちやほやします。これからも親とは付き合わなければならないので、忖度しますからね。使う側が意識を改めないと、不祥事は減らないでしょう」(石川氏)
また、親子関係カウンセラーの川島崇照氏は有名芸能人の家庭についてこんな指摘を。
「親が家を空けることも多く、コミュニケーションが圧倒的に不足しがちです。そして、家にいられない罪悪感から子どもにお金を渡す親もいます。家にいる時間が取れないのをお金で償うわけです」
しかし、それでは子どもが寂しさを感じてしまい、何かに依存しやすい性格になるのだという。酒や食べ物、異性……。2世タレントがクスリに溺れやすいのもそれと関係がありそうだ。
「いちばん大切なのは、子どもが親から愛されているという安心感を持つことです。家に帰って来られなくても、2~3分という短い時間でも、電話でお互いに今日あった出来事を話し、気持ちを伝え合うだけで、親と子の双方向のコミュニケーションがとれます。そういう関わりが10歳以下までにあると、寂しさを感じにくくなりますよ」(川島氏、以下同)
そして、思春期では別のコミュニケーション方法も必要になる。子どもの考えを尊重して、失敗しそうに見えてもやらせてみることだという。
「大人になろうとしている時期なので、子どもは自分で行動してみて、学んでいきます。子どもに、その結果を引き受けることができるのだと信じて接してあげるべきです。そうでないと、反発されたり、自分の意見を伝えなくなるかもしれません」(同)
親の七光で守られる安全な世界では、かえって自立や成長が難しいのかも。2世たちの不祥事は、大人が真摯に子どもと接することの大切さを改めて教えてくれる。