3月いっぱいで、半世紀以上続く長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)から桂文枝(78)が、7代目アシスタントを務めた山瀬まみ(52)とともに卒業する。「同一司会者によるトーク番組」の最長記録として2015年にギネス認定された番組からの勇退だ。
長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』の裏側
『新婚さん~』とほかの番組との違いを語ってくれたのは、2021年6月に“新婚さん”として同番組へ出演した、タレントの城咲仁(44)である。
「スタジオまでアテンドしてくれるスタッフさんは必ずスーツ姿だし、よくある大部屋ではなくちゃんと個室も用意されているし、『踊る!さんま御殿!!』や『ダウンタウンDX』(ともに日本テレビ系)に引けを取らないくらいケータリングもしっかりしていました。テレビ番組というより、『新婚さんのおふたりをお迎えする』というホスピタリティーなんですね。
一般参加者の方々がいきなりあんな対応をされると『テレビってこういうものなのか』と思うかもしれませんが、あんな番組はほかにありません(笑)。ちなみに、『Yes No枕』ってオンエア後にカバーだけが2人分送られてくるんです。でもやっぱり貴重な物だし、いまだに袋から出せていません。
僕たちが出演した時期はコロナ禍で無観客だったんですが、収録中は僕らがしゃべるとスタッフさんたちが手を叩いて笑ってくれたり、リアクションしてくれるんです。僕たち以上に一般の方々は緊張しやすいはずですが、そういったお心遣いによって参加者のやりやすい空気をつくってくれたことはすごく印象に残っています」(城咲さん)
歌舞伎町の元No.1ホストとしても知られる城咲も絶賛するホスピタリティーや、しゃべりやすさの理由はスタッフの心遣いだけではない。ギネス認定されるほどの文枝の司会術にも秘密があるようだ。
「あの番組の文枝師匠って、いらないことをすべて削ぎ落とした必要最小限の言葉しか口にしないんです。研磨されていますよね。
若い芸人さんが僕に話を振る場合は『モテてきて、こうでこうで~』と言葉を足しがちなんですけど、文枝師匠の場合は『へぇ~、モテてきたんだ。それでそれで?』。そう聞かれると、こちらはまたしゃべりたくなる。だから、文字にすると文枝師匠の言葉数はすごく少ないはずですよ。
それでいて、師匠には包み込んでくれる雰囲気がある。僕は『新婚さん~』で文枝師匠と初めてお会いし、緊張していたのですが、同級生のお父さんや担任の先生みたいに『で?』って相談に乗ってくれるような温かい眼差しがあって。
『お前らは夫婦2人でそんなバカなことをやってんのかあ。幸せそうだなあ』と受け身を取り、引き出してくれるんです。このオーラは黒柳徹子さんや明石家さんまさん、ダウンタウンさんとは全然違うもので、似た雰囲気の人を強いて挙げるとタモリさんかな? 合気道のようなスタイルですよね。
あんな大先輩にここまでおもてなしをしてもらい、最初は緊張していたけど気づいたらリラックスして心を許していました。文枝師匠は本当に超一流です」(城咲さん)