目次
Page 1
ー 視力を失った父に続き母も認知症に
Page 2
ー ダークな気持ちはグチで吐き出す!
Page 3
ー 今の親の姿に未来の自分を重ね
Page 4
ー 父と姉を見送り、ひとり母の介護中

 

 ブログの月間アクセス数800万超、人気ブロガーのカータンさん。2007年にブログを開設以来、子育てや日々の暮らしについての投稿が、主婦層を中心に多くの支持を集めてきた。コミカルなイラストと、クスッと笑えるオチのきいた展開が好評だ。

 そんなカータンさんの日常を大きく変えたのが、実の両親の介護だった。

視力を失った父に続き母も認知症に

 ことの始まりは7年前、当時79歳だったカータンさんの父「ヒロシ」が突然、緑内障で視力を失ったことだった。

父・ヒロシ(85歳)元バリバリの仕事人間で、明るく社交的。79歳で視力を失い、せん妄に悩まされるも気持ちは前向き(イラスト/カータン)
父・ヒロシ(85歳)元バリバリの仕事人間で、明るく社交的。79歳で視力を失い、せん妄に悩まされるも気持ちは前向き(イラスト/カータン)

「明るくて冗談が好きな父でしたが、目が見えなくなってからはイライラして母にあたるようになって。母はそのストレスから老人性うつ、さらに認知症になってしまったんです」(カータンさん、以下同)

母・イクコ(82歳)専業主婦。おしゃれで毒舌キャラ。視力を失った夫の介護のストレスで、老人性うつから認知症に(イラスト/カータン)
母・イクコ(82歳)専業主婦。おしゃれで毒舌キャラ。視力を失った夫の介護のストレスで、老人性うつから認知症に(イラスト/カータン)

 ヒロシさんはさらに幻覚を伴う「せん妄」を起こすように。母「イクコ」は入浴や着替えも介助が必要なほど認知症が進行してしまう。

 未知の世界だった介護に「飛び込むしかなかった」と言うカータンさん。何よりつらかったのは、親の変化を受け入れられないことだった。

「両親は留学生をホームステイさせたり、私の仕事中は娘たちの面倒をみてくれたり、活動的で頼りになる存在。ずっと元気でいるような気でいたので、初めて見る親の姿にすごくショックを受けました。

 介護は徐々に手がかかるようになりましたが、思い返せば、精神的にいちばんしんどかったのは、現実を受け入れられなかったこの時期。両親は『子どもたちの世話にはならない』って言ってたじゃん、話が違うよって」

 そんなとき、カータンさんの2歳年上の姉「かおさん」が、介護保険制度を利用しようと提案。手続きを進める。

「何より助けられたのは、『地域包括支援センター』に行き、ケアマネジャーさんとつながったこと。昨日まで悩んでいたことは何だったんだと思うほど、的確な答えが返ってくるんです。ケアマネさんの頭の中には、膨大な高齢者のケースと対処法のデータが入っているんですね」