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ー “騒音”とは異なる“煩音”

夏休みの間この音 爆音で聴かなあかんのは 聞いてないwww》

 自宅のすぐ前の道路で、ラジオから流れる号令に合わせて体操する、子どもたちの姿が映った動画とともに呟かれた冒頭のひと言。

 これが朝のラジオ体操は近所迷惑なのか? という論争のきっかけになった。

《別に1日中やっているわけでもないし……》

《夏の風物詩みたいなものじゃん。そのくらい許せよ》

 といった容認派の声の中、

《早朝から寝始める人のことを考えろよ》

《別にみんなで集まってやる意味、ないんじゃない?》

 など反対派の主張もあり、意見が真っ二つに分かれた。

「ラジオ体操に対する苦情が、特別珍しいというわけではありません。昔と比べて“音”に対する考え方が変わってきているんです」

 と、騒音トラブルなどについての相談を受けている『騒音問題総合研究所』の代表、橋本典久氏はこう話す。

「平成に入ってから、近隣が出す音に対しての苦情件数が増えてきたんです。わかりやすいのは、マンションなどでの上階から響く足音ですね。最近は、これ以外にも聞こえる音は、なんでも苦情対象になっています。今は、声と音と騒音の区別がない時代なんです」