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ー 即位されてから約31年間の上皇さま
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ー こだわりがちりばめられた上皇さまのファッション

 12月23日、上皇さまが90歳のお誕生日を迎えられた。

 '19年4月、国民に惜しまれながら退位され、“平成”が幕を閉じた。最近は、お出ましの機会は少なくなったものの、今年8月には4年ぶりに栃木県・那須にご静養へ出向かれた。

即位されてから約31年間の上皇さま

1980年代、'88年9月のソウル五輪。「ダブルのスーツスタイルがお似合いです」(撮影/JMPA)
1980年代、'88年9月のソウル五輪。「ダブルのスーツスタイルがお似合いです」(撮影/JMPA)

 '89年1月7日に即位されてから約31年間、皇太子時代も含めるとそれ以上に長い間、ご公務に励まれた上皇さま。お出ましになる際に、たびたび話題になったのが、上皇さまのクラシックなファッション。その魅力を、ファッションジャーナリストの高はし賀子さんに分析してもらった。

1990年代、'98年11月、横浜テニスコートにて。「おふたりとも同じ形のオープンワイドのえり元です」(撮影/JMPA)
1990年代、'98年11月、横浜テニスコートにて。「おふたりとも同じ形のオープンワイドのえり元です」(撮影/JMPA)

上皇さまの装いのキーワードは、“伝統”と“格式”です。その中でも上皇さまは、細身なご自身のスタイルの良さを生かすダブルのスーツを好んでいらっしゃったようです。シングルに比べて面積が大きく安定感のあるダブルのスーツは、身体を大きくたくましく見せる効果があります」

 上皇ご夫妻のお召しもので印象的なのが、テニスをされる際の装いだ。

「日本のスポーティールックを確立したのは上皇さま美智子さまといわれています。上皇ご夫妻の完璧な“カップルコーディネート”は当時も話題になりました。若者の出会いの場としてテニスコートが大流行するなど、“新しさ”を広められました」

 一方で、ひとつの物を大切に、長くお召しになられている点も、上皇さまの装いの特徴だという。