Q・学校の先生や警察官も悪いことをするの?
「君にとっては正義のヒーローかもしれないけれど、先生もおまわりさんも君と同じ人間。ほとんどの先生や警察官はいい人で一生懸命、頑張っているんだぁ。でも、100人の中に1~2人は悪いことをする人がいるかもしれない。だから先生やおまわりさんが捕まっても、全員が悪い人だとは思わないほうがいいんだな。
そう子どもに伝えたいのは、僕自身が日本に住む外国人だから。事件で外国人が逮捕されると“外国人ってやっぱりダメだね”って言われることも。最近だと『イスラム国』のテロのとき。ほとんどのムスリムは全然悪くないのに拒絶されたり、罵声を浴びせられていました。それは相手に失礼だし、関わる機会を自ら断つなんてもったいなくないですか?“1人がそうだとみんなそう”という考え方が子どもに根づかなきゃいいなって」(ダニエルさん)
「おまわりさんが痴漢したり、学校の先生が盗撮したり、しょっちゅうニュースになっているよ(苦笑)。立派な教師や警察官であろうとすることより、よこしまな欲望のほうが先に立ってしまう人がときどきいるんだ。“聖職”なんて呼ばれていた昔は、社会での立場や責任を考えて欲望をコントロールしたものだけど、それも最近じゃ難しくなっているのかもしれないね。
子どもには“いい子にしなさい”と叱るくせに、そんな大人の言うことなんか聞きたくないって? 確かに悪事に手を染める人もたまにはいるけれど、大半は使命感に燃えて一生懸命、仕事に取り組んでいるんだ。白い羊の群れに、黒い羊が2~3頭混じっていたら目立つでしょう。それと同じ。悪いことをする大人は例外です」(鳥越俊太郎さん)