3月19日に最終回を迎えるフジテレビ系ドラマ『問題のあるレストラン』。
男社会で理不尽な目にあった女性たちが、彼らと戦い、人生を這い上がっていく姿に共感の声が。とくに彼女たちが発する言葉が胸に突き刺さると話題になっている。
自分の親友で同僚でもある女性が、社長に強要されて全裸で謝罪させられていた。もし、そんな事実を知ったら、あなたはどうしますか?
この作品には、男たちに虐げられた女の怒りや悲しみが満ちあふれている。
例えば、冒頭の仕打ちを受けた菊池亜希子演じる五月は、親友にすら打ち明けられなかった痛みをこう綴る。
《人は生まれると2分の1の確率で差別を受ける。痴漢に相当する罰は10年じゃ足りない。レイプに相当する罰は死刑だと思う》
《男の人のすることなんて許しなさいと母は言う。お母さん、それはもう、私に生きるなということです》
真木よう子演じる主人公のたま子は、親友の無念を晴らすために社長への復讐に燃える。
憎き社長が経営し、かつて恋仲だったシェフがいるライバル店の前にレストランを開くことに。そこにスタッフとして集まった女たちもまた、男社会で理不尽な目にあってきた者ばかりだった。
五月とたま子の親友で専業主婦の鏡子(臼田あさ美)は、モラハラ夫の言動に自尊心をなくしていた。
たま子から「誰が? どんな時間が、どんな生活が、どんな言葉があなたをそう思わせたの?」と言われて自分を取り戻した彼女は、母親を理想像として押しつけてくる夫にこう言い放つ。
「夫を支えるために一生をささげた妻の話なんて私には呪いの言葉でしかなかったよ」
頭でっかちで融通のきかない性格の結実(二階堂ふみ)は男に媚びない生き方をしてきたがゆえに恋愛経験がなく自信もない。女子力以外で評価されない世の中をこう嘆く。
「男性は勝つと愛されるけど、女性は勝つと愛されなくなる。女は勝ち負けとか放棄して男に選ばれて初めて勝利する」
一方、ライバル店で働いていた藍里(高畑充希)はいわゆるキラキラ女子。上司や同僚からの日常的なセクハラを受けても「先方はぬくもりが欲しかっただけ」と心に言い聞かせてスルーしていた。
無意識に自分をすり減らしてきた彼女に、たま子はこう諭す。
「好きじゃない人には身体を触らせちゃだめ。ここ(頭)にもここ(腕)にもここ(腰)にも心が詰まっているんだよ。あなたの心はあなただけのものなんだから気にしなくていいなんて言う人はあなたの心を殺そうとしているんだよ?」
堀内敬子演じる奏子は元夫と別れてからも、長年心を病んでいた過去を持つ。元夫と再会した際、こうぶつける。
「あなたに何人女性がいたのか知らないけど、私は心の中でその女たちを何人も殺したし、その何倍も私自身を殺した」
そんな悲痛な叫びの数々に対し、女性たちからこんな声が殺到している。
「ひたすら共感しています。“言いたかったことはそれ!”という思いがセリフになるので、スカッとしますね」(30歳の女性)
「男社会で嫌な思いをするのは日常茶飯事。だからこそ、果敢に立ち向かっていく彼女たちの姿が自分の理想と重なって、泣けるんです」(28歳のOL)
さらに彼女はたま子のこの言葉に救われているという。
「いい仕事がしたい。手に汗を握って息をするのも忘れるようなそんな瞬間に出会いたい。人生はどれだけ心が震えたかで決まると思います」