7月中旬のこと――。恋愛小説vol.1『君を心から愛してる。だから僕は浮気をする。』公開から約1週間、ユーザーからの反響を伝えるべくS×L・酒井と打ち合せに。待っていると、麦わら帽子をかぶり、意気揚々と”酒井先生”がやってきた。
編集:酒井くんさ、PV(閲覧数)がとんでもないことになってるよ! けっこう読まれている記事だと100万PVくらいなんだけど……。
酒井:あ〜、軽くこえちゃいました? たしかにYahooニュースさん、スマートニュースさんも取り上げてくれてますからね。1位とっちゃいました? 新参者がいきなり、すみませんね(笑い)。
編集:いや……あの〜。
酒井:オレ、小説家として売れたいわけじゃないですからね。そっちだけが目立っても困っちゃいますよ。小説はあくまでもオマケなので。ほら、又吉さんみたいに芸人として売れてから芥川賞とかとった方がカッコいいじゃないですか。正直、もしこの連載の反響があり過ぎて話題になりそうだったら、いったんお休みさせてもらっていいですか?
編集:PV、3000です。
酒井:え? 3000万。
編集:いや、シンプルな3000です。
酒井:…………。
編集:………………。
酒井:で、つぎの原稿なんですけど。
編集:ちょっと待ってくれ。この数字だとさすがになぁ……。
酒井:いやいや、第二弾、この第二弾! 生涯で最高傑作なんですよね~。
編集:コメントも募集してみたけど、ハッシュタグ0だよ。どーすんの?
酒井:”エゴサーチ力”足りてないっすよ。オレは酒井スペース小説でずっと検索してましたけど。
編集:”エゴサーチ力”ってなんだよ! 何件くらい?
酒井:ちゃんと3件ありましたよ!
編集:それ、数として少ないから。ちなみに、どんなコメントが?
酒井:《酒井さんの小説、はやく第二弾みたいな〜。次は誰だろう》《酒井さんの小説、酒井さんっぽい》《これ、コントとか再現したらよさそう。でもSLさんは漫才している》ってのがありました。ありがたいかぎりです。
編集:たしかに、ありがたいことだけどね……。
酒井:で、次の小説なんすけど、これは本当に自信あります。最高傑作です!
編集:……いやはや。
次回作vol.2の公開は来週8月7日(金)です。お楽しみに!
■小説vol.1のあとがき
――処女作でもある恋愛小説Vol.1『君を心から愛してる。だから僕は浮気をする。』ですが、これはいったい何を伝えたかったの?
「同棲が憧れで、これまで同棲している人に話をたくさん聞いてきました。オレの持論で”世の中の男女、全員一度は浮気する説”を唱えてきました。ほぼ100パーセント、セックスレスの話になるんですよね。だいたいそういう人って、浮気とかに走るんですよ。たぶん、同棲とか恋愛って、浮気したから別れるという単純な結果に終わることって少ないのかなぁと思って。そういう感じを書きたかったんです」
――主人公のヨウイチは、どんな人物像?
「自分もそうなんですけど、男って自分が正しいと思っている人がけっこう多い。しかも勘違いや自己満だったりしていて、そういうのを正しいと思い込んじゃっているんですよね。”浮気はするけど彼女は好き”って男あるあるなんですよ。そういうのをデフォルメして書きました」
――全編通して、登場人物が人力舎の若手お笑い芸人さんから名前を借りているみたいだけど……。
「ヨウイチはどこにでもいるようなさわやかな普通の男性です。名前を借りたのは、人力舎に所属しているお笑いコンビ『巨匠』の岡野陽一です。ただの、髭のおじさん。彼は付き合うと一途で、浮気をするようなやつじゃないんですよ。本当にいい人。しかも、単純に合コンとかも嫌いですからね(笑い)」
――ちょっとヨウイチのイメージと違う……。
「一方のマキは、綺麗。すごい良い子。お嫁さんにするならちょうどよい。でも、なぜか、同棲とかしたり、長い間に一緒にいると、それが当たり前になっちゃって、風景の一部になる。ヨウイチとマキはそういう状況に陥っているんです。でも、マキも人間だから陰で浮気している。そこもリアル。男って”うちの彼女は大丈夫だから”とか思ったりしてるけど、女の子って隠すのうまいと思うんだよね。演技でいったら、女のほうが上手いのは間違いない。あ、ちなみにマキのモデルは堀北真希さんでした」