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 ドラマ下町ロケット』(TBS系、日曜夜9時~) が、視聴率20%の大台を突破。国産ロケット打ち上げプロジェクト参入に加えて、人工心臓弁開発“ガウディ計画”に取り組む佃製作所の新たな挑戦。話題のドラマの魅力に迫った。

 今クールの連ドラの視聴率ナンバーワンを更新中。伊與田英徳プロデューサーは、念願のドラマ化の高評価に対しこう語る。

「私はもともと(大学が)理系なので、技術者が頑張る物語は気持ちがすごく乗るんです。男くさい作品は敬遠されがちですが、私を含め、自分たちが面白いと信じて進めた作品が受け入れられてうれしいです」

 原作は、『下町ロケット』で直木賞を受賞し、『半沢直樹』シリーズ、『ルーズヴェルト・ゲーム』など数々がドラマ化されている池井戸潤。働く現代人が思わず共感する物語が多い池井戸作品の中でも人気が高い。

「先生の原作が大変面白いし、先生の世界観を演出の福澤克雄がしっかり表現したので、多くの方に受け入れていただけたのではないかと思います」(伊與田プロデューサー)

 主演の阿部寛は、今作のために2年ほど連ドラの出演を控えていたそう。

「男気を感じましたね。佃航平は、阿部さんしかいないと思っていたので、快諾していただけて、うれしかったです」(伊與田プロデューサー)

 ドラマは、前半が中小企業の技術者たちが不屈の精神でロケットのエンジン開発に奮闘する“ロケット編”。後半はロケットで培ったバルブ技術が最先端の医療に生かされるまでを追った“ガウディ計画編”の2部構成で描いていく。

 “ガウディ計画編”は、10月から朝日新聞で連載が始まり、11月に発売された新刊『下町ロケット2 ガウディ計画』が原作だ。

 ドラマ、新聞連載、単行本発売の同時進行という異例の試みも話題になっているが、伊與田プロデューサーによると、当初から予定されていたことではなかったという。

「企画段階では“ロケット編”だけで制作する可能性もありましたが、池井戸先生の執筆のタイミングが合い非常にラッキーでした」

ロケット編完結の放送直前には、国産初のジェット旅客機MRJの初飛行が報じられ、ドラマの追い風にもなった感じだ。

「“ガウディ計画編”では、ロケット技術はもちろん、それが人体、心臓のバルブ(人工弁)の技術に応用されていくさまを描いています。命の大切さ、人間が生きるための技術を表現していければと思います」(伊與田プロデューサー)

 主演の阿部を筆頭に、帝国重工の財前役に吉川晃司、同社社長役の杉良太郎、娘役に土屋太鳳、佃製作所社員に立川談春ら豪華なキャストも魅力。新たな配役で、小泉孝太郎、世良公則、今田耕司、石倉三郎らが出演している。

「航平を阿部さんと思ったように、キャスティングはひらめきなんです。この方に演じてほしいとオファーした方々からいいお返事をいただき、希望どおりになりました」(伊與田プロデューサー)

 佃をライバル視する椎名役の小泉は、プライベートの予定をキャンセルして引き受けたそう。

「航平は日本の宇宙科学開発機構の元研究員。椎名はNASA(アメリカ航空宇宙局)出身です。2人の日米対決にご注目ください」(伊與田プロデューサー)