『わたしが神さまから聞いたお金の話をしてもいいですか?』『神さまのお告げで教わった! 井内由佳のしあわせスパイラル』などの著書がベストセラーとなった井内由佳。そんな彼女に、1989年のある日、神さまのお告げが降りる。

 それ以降、神さまのお告げで教わった「幸せになるための考え方」を伝え続けているという。隔週で連載している『神さまの幸福論』では、井内先生に寄せられた人生相談と、その回答をお見せしていきたいと思います。今回の質問は「お小遣い制」について。サラリーマンの方だと、結構多いのではないでしょうか。物を買うときは必ず奥さんと交渉しなければいけないとか……。お小遣い制か、夫婦別財布か、または違う方法があるのか。井内先生に質問してみました。

Q:結婚5年目、子どもはひとり(3歳)。40歳になります。小さな会社ですが、黎明期からの社員ということもあり、年収は手取りで約1000万円いただいていまして、金銭的には困っていません。しかし、我が家は"お小遣い制"でして、妻からは月に5万円をいただいております。5万円と言いますと、昼食代を1000円とすると、1000円×週5×4週=20000円。タバコを嗜みますから、それがだいたい月10000円。タバコを嗜むということはお酒も飲みますので、そういたしますと何も手元に残りません。我が家はお金には困っていませんが、自由に使えるお金が5万円しか手元にない私自身は、アベノミクスで物価も上がっていることもあり、ジリ貧です。なんだか、悲しくなってきました……。「サイフを取り戻したい!」と思ってしまう私はヨコシマですか?

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 お小遣い制で生活しているビジネスマンは本当に多いですよね。そしてその額の少なさゆえに、やりくりが大変だと嘆いている人にもわたしもたくさん出会ってきました。

 これは、日本が高度成長期にあり、企業のほとんどが終身雇用、年功序列であった親世代の名残なのです。親世代では、企業はどんどん売り上げを伸ばし、会社に就職すれば年々お給料も上がっていき、定年を迎えれば手厚い年金で死ぬまで安泰という未来設計ができました。真面目に勤めてさえいれば、生活は保障されたのです。

 しかし、今は、大企業に勤めていてもリストラされ、給料やボーナスも実績に応じて査定で決まる時代です。ビジネス強者と弱者で5年後、10年後に収入に大きく差がつく環境なのです。その中で、いかにビジネスマンとしての実力を備え、人として成長・進化できるかが、自分の収入を大きく左右するのです。

 きっと、あなたの奥さんは、親がしていたように、夫に少ないお小遣いでやりくりしてもらい、貯蓄に励んでいらっしゃると思うのですが、それは、今後も今の収入が右肩上がりに増えていくことがほぼ約束された家庭だけに有効な話であって、あなたが勤める会社は小さくてまだ若いようですから、今後も今の収入が右肩上がりで保障されているわけではないですよね。

 あなたもビジネスマンとして、まだまだ力をつける必要があります。神さまは、その力のことを、

「知識や技術よりも『人の心をつかむ力』」

 だとおっしゃいます。仕事で成功するには、人の心をつかめることが不可欠だと。実際わたしも多くの成功者に会ってきて、全くその通りだとつくづく思うのです。

 部下が仕事がうまくいったときに、食事に誘う。お世話になった人にちょっとしたプレゼントを贈る。こういった心配りのできる人が、人の心をつかめるのです。人の心をつかめる人が、ずっと稼ぐことができるのです。

 そういうと、「お金がなくても、人の心はつかめる」という人がいます。でもそういう人は、人の心をつかめていない人なのです。お金があれば、お金がない中でやるのとでは比べられないほど"人を喜ばせたり、人の役に立てることの選択肢"が断然増えます。

 部下に「お疲れさま」と言葉だけかけるのと、一緒に乾杯をするのではふたりのつながりは大きく変わるのです。こういうことの積み重ねで、人間関係は構築されていき、ビジネスにおける協力者や仲間ができてくるのです。

 今の時代だからこそ、こういった心配りがビジネスシーンではとても大切なのです。ビジネスマンは自分に使うお金だけしか持っていないようでは、この先、頭角を現わすことはできません。やはり、ここぞというときに使えるお金を持つことが必要なのです。

 あなたが財布を取り戻したいと思うのが、自分に使う分を増やしたいというのなら、あまり意味はないと思います。それは、人はどれだけもらっても「足りない」と感じるものだからです。でも、お金に余裕があれば、人にご馳走することができる、そう思うのであれば、それを奥さんにきちんと説明すれば、あなたの手取りは1000万もあるのですから、奥さんもきっと納得してくれると思いますよ。

 そして、お小遣いが増えたら、ぜひ大切な人のためにお金を使ってみてください。少しずつですが、あなたの心が豊かになり、それがあなたの収入につながることになるのです。


井内由佳(いうち・ゆか)●福岡県生まれ。福岡大学商学部卒業。大学卒業後、株式会社リクルートに入社。ここで、「仕事」についての大きな学びを得る。多彩な人々との出会いと語りあいの中から、人として幸せな道を歩むための考え方を学ぶ。1989年に神さまのお告げが降りる。1991年より夫が経営する輸入車販売会社の取 締役を務めるのかたわら、自宅で人々の相談に応じ、神さまのお告げで教わった「幸せになるための考え方」を伝え続けている。福岡市在住で二男二女の母として、毎日、楽しく、嬉しく暮らしている。【公式携帯サイトhttp://iuchi.augury.jp/】